The means justifies the ends
iPhone 5S のバッテリーがすっかりへたってしまって、フル充電しても半日も持たなくなってしまいました。
アップル様に修理に出せば9千円ぐらいで新しいバッテリーに交換してくれるそうですが、そこはそれ、higuchi.com の、なんでも自分で作ってしまおうシリーズ!
パーツとして安く流通している裸のバッテリーを手に入れて自分で交換してしまおう。
交換作業自体は、iPod mini のバッテリー交換や iPod nano の液晶交換なんかに比べると簡単そうなので楽勝だと思ったら、大きな落とし穴が!
ちまたに流通する iPhone の交換バッテリーは粗悪品と偽物だらけだったのです。
電気製品の交換部品を手に入れるのは、製造元の中国から工場横流し品を買ってくるのがいちばん簡単で激安。いつものように、B2B の流通経路に B2C の横穴を開けた便利な市場 Aliexpress (http://www.aliexpress.com/) を検索すると、iPhone 5S のバッテリーもざくざく出てきます。どれも見た目は同じ、Apple の純正パーツと謳っていますが、送料込みでひとつ6ドルから13ドルぐらいまでとけっこう値段に開きがあります。
とりあえず、一番安いやつをオーダーして、2週間ぐらいで届きました。裸のバッテリーに、iPhone を分解する時に使う精密ドライバーなどの工具がおまけについてきました。
左が iPhone から取り外した古いバッテリー、右が今回買ったもの。
よく見るとパーツ番号が違います。元は APN 616-0721 で、中国から届いた方は APN 616-0720。iPhone 5Sと5Cに使われているバッテリーはロットによって何種類かパーツ番号があって、どれも互換性があるようなので、これは無問題。
見た目は新品で、製造年月も新しいバッテリーなのですが、iPhone に入れてみたらぜんぜんダメ。一見フル充電できるのですが、アプリを立ち上げるときなど消費電力が増えていそうなタイミングでシステムが落ちます。内部抵抗が高いみたい。そして、みるみるバッテリーゲージが減っていく!バッテリーそのもののセルが粗悪品っぽい。
しょうがないので、一旦古いバッテリーに戻しました。
中国の売り逃げ横流し業者には怪しいところが混ざってることを痛感したので、こんどは日本の業者を Amazon で探します。これまた個人商店みたいなところがたくさん出品しています。下は800円から上は2,000円以上までこっちも幅広いのですが、貧乏性なのでまたいちばん安いところに注文。
届いて来た品物を見ると、ロット番号や製造年月の印刷まで、前回の粗悪品と全く同じ!
イヤな予感を感じつつ、iPhone を開腹してバッテリーを交換したところ……まったく同じ症状だ……。
あらためて Amazon の商品ページを見ると、充電できないとか、電池が持たないといった星一つレビューがショップ名指しで書いてありました。よく見るんだった。
次は、目先を変えて、AliExpress に戻って「純正品より高性能(だけど安い)」という売り文句の互換パーツを買ってみました。
届いたのが、これ。
金色だ。強そうだ。日本語で「高容量リチウムイオンポリマー」って書いてあるし。純正は1560mAhの容量なのに、これは堂々の2680mAh!同じサイズなのに倍近い容量があるよ。すげー。技術の進歩、すげー。
あれ?バッテリーのコネクターに半分剥がしたスポンジテープが貼り付いてる。なんだろ。まあいいや。嬉々として iPhone に装着!充電開始!
……おかしいな、全然電気が溜まらないよ。メーター増えないし……どうなってんだろ。
おや?この金色のラッピング、はがれるぞ?
はがしてみた。
使い古しの純正バッテリーだよ……1560mAhって書いてあるし。去年の1月製造だし。フェイク業者、爆発しろ。
と、まあ、いくつもの失敗を経て、今は健康なバッテリーを手に入れて、どうにか平和に暮らしております。
まっとうなバッテリーを手に入れるコツは
といったところでしょうか。
ついでに、iPhone 5S のバッテリーの交換手順ですが、このビデオが参考になります。
コツは
でございます。
まあ、いろいろありましたが、それでも業者やアップル様に交換を頼むよりはずっと割安。ちゃんとしたバッテリーさえ手に入ればとってもお得です。
Happy hacking!(でも、インチキ業者には気をつけてね)