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ワークフローとか、業務プロセスの自動化をするソフトウェアの話をしていると、しばしば「日本には特有の『根回し』の文化がある」という主張を聞きます。たいてい「だから、外国製のソフトウェアは使いものにならなくて、きめこまかい日本製ソフトがいい」という結論めいたものと係り結びの関係にあるようです。
今日も、たまたまそういうニュース記事を見ました(『
日本特有の“根回し”ができるワークフロー構築ソフト』——@IT 情報マネジメント)。
これって、大きな誤解(または、嘘)。
外資系の会社とかにちゃんと勤めたことのある人ならわかると思うけど、べつに根回しは日本特有の文化でもなんでもなくて、ガイコクのヒトだってなにか決めたいことがあればせっせと関係者に会ったりメシに誘ったりして事前の意見調整行為をしますよね。
日本特有なのはその後の意志決定プロセスが多層であったり、意志決定そのものが論理的でないことがあるというぐらいで、根回し行為に相当するものは日本以外でもちゃんと見られると思う。テレビでかいま見る多国間外交の現場なんてまるで根回し合戦みたいじゃないですか。
もひとつ言うと、根回しが済んでいないものをいきなり定型の業務フローである意志決定プロセスに乗っけると思ったような結果にならないリスクがあるからこそ定型フローの外で根回しをするんで、ワークフローシステムに『根回し機能』を組み込むってのは意味がわかんない。
作る側も買う側も何か間違ってない?根回しはシステムに頼らずにヒューマンタッチでやろうよ。
Shogoさんのコメント:
日本特有なのは、根回しではなく、意思決定プロセスが無いこと。会議でなんとなく決定され(たように見え)、だれも責任を取らない集団無責任状態。
業界標準化活動なんてlobbying(ロビー活動)でほとんどが決まってしまいますよね。
ニコチンやアルコールの力を借りてご機嫌になるタバコ部屋やレストランが根回しの絶好の場であり、主張を文章化する必要があるWeb上ではうまく機能しないでしょうね。