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とあるお客様からのご依頼で、QRコードについてちょっと調べていました。
QRコードは日本のデンソーが開発した2次元バーコード。日本では携帯電話のカメラでバーコードを読み取って、エンコードされているURLのページを携帯電話のブラウザで表示する、という応用方法がよく普及しているのはご存じの通り。
でも、この使い方、アメリカとか他の市場ではあまり(ほとんど?)使われていなくて、一部の新しもの好きのマーケターが目を付けていた程度という具合だったようなのですが、最近になってちらほら話題に上るようになったらしく、グローバル企業のマーケティング部門などで「先行して使われている日本の事例を調べろ」なんていう指示が出たりしているようなのです。
印刷物に印刷したバーコードに埋め込まれたURLを読み取らせて、そこからオンラインへ誘導するという手法は、たとえば2000年ぐらいにはWIRED誌にバーコードリーダーの
CueCatが付録で付いてきたりとか、いろいろとトライされていたと思うのですが、ほとんど普及しませんでした。
それが日本で普及した理由は、おそらく携帯電話にQRコード読み取り機能が強制的に標準でついてきたからだと考えています。
日本ではドコモが505iシリーズ以降の携帯端末で「標準機能」として各メーカーにこの機能を装備させると同時に、auやボーダフォンも同じコードを使うことを決めたという経緯があって、それ以降、日本国内向けのカメラ付き携帯のほとんどの機種に読み取り機能が標準装備されているのですが、他のマーケットではそういうイニシアチブはなかったので、「2次元バーコードを印刷しても読み取れる機械がない→利用者が少ないのでバーコードの効果がない→バーコードを読み取る機械を普及させるモチベーションが出ない」という「鶏と卵」状態が続いていたんですね。
それがここに来てスマートフォンが急に普及して、読み取りソフトを後からインストールさえしてもらえれば追加コストなしでバーコードを読んでもらえるようになって、さらに Android なんかではバーコード読み取りソフトが標準で搭載されたりしたので、海外のマーケターさんたちがにわかに活気づいている模様。
気がついて見回してみると、欧米の雑誌や新聞にもQRコードが印刷されている事例をちらほら見かけるようになってきました。
Data Matrix コードの例
ちなみに、アメリカではQRコードよりもよく使われている2次元バーコードシステムとして Data Matrix というのがあります。もともと工場の生産管理とかに使うために開発された(QRコードも、元はきっとそうですよね)もので、商品とか部品に貼ってあるタグなんかでよくみかけます。バーコードの四隅のうち右下以外の3つに四角いマークがあるのがQRコードで、バーコードの左と下の辺にL字型に直線のマークがあるのが Data Matrix コード。
アメリカ製のスマートフォン用バーコード読み取りソフトはQRコードとData Matrixコードの両方が読み取れるようになっているものが多いみたいです。
で、QRコードと Data Matrix コードはかなり混同されているようです。右の写真は今月のWiredに載っていた携帯キャリア Sprint のスマートフォンの広告。「QR コードをスキャンしてソフトをダウンロード」とか書いてありますが、実際にはこのコードは QR コードじゃなくて Data Matrix コード。
こういうケースは Web にもちらほらあって、どうやら「QR Code」が白黒2次元バーコードの代名詞化しつつある気配。
今後アメリカのマーケターさんと "QR Code" について話をすることが増えるかもしれないけれど、文脈によってはそれが本当にQRコードのことを指しているのか、なんとなく二次元バーコード全体のことを指しているのか、気をつけた方がいいケースがあるかもね。