higuchi.com blog

The means justifies the ends

緩募:超弩級オーディオセットを聞き比べる会 [オーディオサロン・アリストクラト]

[PR] 本ブログの商品紹介リンクには広告が含まれています

アヴァンギャルド トリオ+バスホーン 
人が寝泊まりできそうなホーンスピーカー
ハイエンドオーディオとかピュアオーディオとか呼ばれるジャンルの趣味があります。
どんな趣味でも、エンスーというかマニアさんの領域は得てしてそういう傾向があるけど、特に高級オーディオの世界はオカルトっぽい話が紛れ込んでいて、どうも素直に話が聞けない部分があります。具体的には……やめておこう。

Having said that、高いオーディオ機器で聞くと同じソースでもまったく違う音に聞こえるのは事実。「CDはデジタル音源なんだから、どんな装置でも同じ音になるはずでしょ?」なんて言ってる人。チッチッチ。理解が浅い。同じCDの同じデジタル信号でも、例えばそれをアナログの信号に変換するD/Aコンバータや、その信号を大きくするアンプ、大きくした電気信号を空気の振動に戻すスピーカーなどの性能とか特性によって、全く違った音になります。
いつもCDをリッピングしたMP3を小さなイヤホンで聴いていた音楽を、まともなオーディオセットで聞き直して「え?こんなとこでこんな楽器が鳴ってたっけ?」と思ったり、ライブ音源で観客側の場内のざわめきとか気配みたいなものまで感じてビックリするといったことはごく普通にある。

Transrotor Artus
アナログレコードプレーヤ Transrotor Artus
レコードとかCDには、思ったよりたくさんの情報が入っているんだけど、簡易なオーディオセットだとその情報の全部を表現することができないってことなんですね。で、もとの情報を全部感じさせるように再生する方法を追い求めてしまう泥沼がピュアオーディオの道。危険だねえ。

危険な道ではあるけれど、高級なオーディオ機器で聞く音楽は、確かに気持ちがいいです。爆音でならしてもノイズっぽくならず微妙なニュアンスまで聞こえるし、音や声の一つ一つが生々しくて鮮烈。
「どんな機械で聞いても同じだよ」と思っている人でも、たとえば同じCDトランスポート(CDのお皿を回すドライブ部分ね)でCDを回しながら、D/Aコンバータを切り替えながら聞いてみると、聞こえてくる音の質とか音の空間の広がり方が目をつぶっていても分かるぐらい変わる、なんてことが間違いなくあるはず。だまされたと思って試してみるといいですよ。

Kalista
CDトランスポート Kalista (Metronome Technologie社)
話が長くなりました。

カメラ量販店とかに陳列してあるようなグレード(って言っても、百万円クラスの機械がぞろぞろ並んでるんだけどね)ならいざ知らず、普通なら目にすることもないような数千万円クラスのオーディオセットを何種類も揃えて聞き比べてみるとか、いつも聞き慣れたCDを持ち込んで鳴らしてみるとかいうチャンスは、普通の人が普通に生活していれば、まずありえないわけですが、それを体験できるオーディオサロンが東京・南青山にあります。オーディオサロン アリストクラト (Aristocrat)。先日、歌舞伎の舞台に立つお話のときにちらっと書きましたが、そのサロンにお招き頂いたので、いつも聞き慣れたCDを持っていそいそと行って参りました。

驚きました。
Trio+Basshorn
アヴァンギャルドを鳴らすセットはこれ
まず、並んでいるオーディオセットがとにかくすごいんです。たとえば、この記事の冒頭のホーンスピーカー。たまたま以前役員を勤めさせていただいた会社で取り扱っていたので知っているんですが、独アヴァンギャルド社のTrio+Basshornというやつ。値段のことを言うのもいやらしいけど、セットで税抜き1800万円。
それを鳴らしている真空管メインアンプ Glass Master SD-2 KR はセットでたぶん400万円オーバー。SACDプレーヤーは、これも関係していたので知っているんだけどトランスポートだけで220万円+モノラルのD/Aコンバータが110万円×2。
JPA-66
アナログレコード用フォノイコライザー JPA-66は400万円ぐらい
アナログプレーヤやフォノイコライザー、プリアンプ、電源ユニット、それから「お約束」の無酸素銅スピーカーケーブルや電源ケーブルなどなど合わせると、たぶん4000万円ぐらいのセット。
このぐらいの値段になると、値段の事を言うのをいやらしいという感覚もなくなるね。値段関係ないし。ただの記号だし(笑)。

Steely Dan の Aja とか、何枚か CD を持ち込んでかけてもらったんですけどね。もうね、すごいとしか言いようがない。鳥肌立ちますよ。ほんとに。

先日の歌舞伎の記事に載せたセットも同じ部屋にセットしてあります。こっちはKEF社のスピーカーMuon(ミュオン)がやっぱり2000万円、レコードプレーヤの Transrotor Artus が 15万ドル……(値段のことばかり、しつこいね。もうやめます)
Muon
重厚なピカピカしたのがいっぱいだ

ほかの部屋には、アヴァンギャルドの小振りなホーンスピーカー、メタ・プリモを合わせたこんなセット。デッカ版(復刻)ケルテス/ウィーンフィルの「新世界より」とかを聴いてみました。
Avangarde Meta Primo
テクノとかハウス系の音楽も気持ちよく聴けるスピーカー、ルーメンホワイトのセットは、Metronome Technologie社のCDトランスポート Kalista がかっこいい。
Lumen White
このセットは、D/Aコンバータが3種類つけてあって、それぞれ切り替えながら試聴できます(サロンの人による切り替え試聴レポート)。
Steely Dan に加えて、YMO の Gijon のライブとかをD/Aコンバータを切り替えながら聴いてみましたが、あきらかにずば抜けてよかったのは純正MetronomeのD/Aコンバータ。

このほかにも、蓄音機の名機 HMVなどなど、時間が許せばずっと聴いていたかったのですが、そうもいかずに残念でございました。
HMV
HMV

SP
SP盤だよ

His Master's Voice
足元には HMV=His Master's Voice の由来、ニッパーくん。ソフトバンクのお父さんじゃないよ

さて、このオーディオサロン「アリストクラト」、会員制でもなんでもなくて、だれでも試聴を申し込めば無料で聴かせてもらえるのではありますが、もともと、何千万円もする高級オーディオ機器を買ってもらうための試聴の場ですから、買う気もないのに聞かせてもらうのは、さすがにちょっと敷居が高い。
でもオーナーの倉田さんはいろんな人に聞いてもらいたいと思っていらっしゃって、できれば音楽や音が好きなブロガーさんに、ここのオーディオセットを冷やかしで試聴してもらう機会を持ちたいんだそうです。
というわけで「緩募:超高級オーディオで自分のお気に入りCDを聴いてみるブロガーミーティング」を企画しようと思っているのですが、ご興味のある方、いらっしゃいますか?
今のところ、
  • 平日の放課後かな?
  • 5人ぐらい?10人だと多すぎる
  • 音楽とか音が好きな人限定
  • 申し訳ないけどブログをちゃんと書いている人に限らせてください
  • 聞き込んでよく知っている、自分の好きなCD持参。デジカメも忘れずに
  • 「聞き終わったら、いつのまにか契約書が出てきてサインさせられる」なんていうイベントは決してありませんが、感想をちゃんとブログに書いてね
というぐらいの決めごとを考えています。
参加してみたい方、下のコメント欄か、Twitter の私宛メッセージ で「参加したい」とお知らせください。日時・形式などのご意見やご希望などがあれば書き添えてくださいね。どのぐらいの方がご興味を持ってくださるかわからないので、みなさんの全部のご要望にお応えできることはお約束できませんが、実現に向けて努力いたします。

(追記:試聴会、やってみました。当日の様子はこちら

では。

ご参考:今回、いろんなCDを聴いてみましたけど、装置による音の違いがはっきりわかったのはこのあたり(「新世界より」は、実際に聴いたのはSACD版)。

コメント

ootaharaさんのコメント:

アナログプレーヤのターンテーブルは金属製なのが興味深いです。
こういった方が無酸素銅ケーブルをお買い上げいただいているんですね。
2010/4/16 17:02

miyanoさんのコメント:

いやぁ、いいですね。
マーラーとかで指揮者&オケの聞き比べをやってみたいですね。
2010/4/17 00:53

コメントを書く

関連するかもしれない記事

総額8000万円のセットで聴いているのは……

薔薇がなくちゃ生きていけない [超弩級オーディオブロガー試聴会やってみた]

総額8000万円のセットで聴いているのは……先日ゆるーく募集した、超弩級オーディオセットが試聴できるサ...

この記事を読む »

助六由縁江戸桜 

春霞 たてるやいづこ 三芳野の [歌舞伎座の舞台に素人が出演するチャンスの話]

建て替えでさよなら公演をやっている歌舞伎座ですが、あの舞台に素人が出演できる演目があるんですって...

この記事を読む »

DSP版Windows Vista

パチンコの景品とフロッピーディスクドライブの共通点 [Windows Vista DSP版]

先日送られてきたWindows Vista究極エディションを自宅のデスクトップPCにインストールしたら、どうもパ...

この記事を読む »

3台の扇風機

コピペなし、再現性あり! [ダイソンの羽がない扇風機の運転音を測定する実験] #dysonjp

今度のダイソンの羽なし扇風機は、前のモデルの弱点だったうるさい運転音が本当に静かになっていて、...

この記事を読む »

インターネットマガジン5月号

最強Blogツールをセットアップ! [インターネットマガジン5月号]

今週末発売の、インターネットマガジン5月号の特集は「最強Blogツールをセットアップ!」と題して、Mova...

この記事を読む »

うま馬の行列

ルーツだそうです [うま馬]

行列がとぎれない先週あたりから山手線の車内広告などで告知されていましたが、東京駅八重洲北口に、黒...

この記事を読む »

TravelPro Platinum 5

旅行用カバンの車輪をローラーブレードのホイールに替えたら……

私、スーツケースは Travelpro を愛用しております。 こんなやつ。 よくアメリカに出張し...

この記事を読む »

もっとヘテロジニアス [Macに使える802.11g USB 無線LAN]

先日の記事の続きです。 上の記事は11Mbpsの古いUSB無線LANアダプタをMacで使う汎用ドライバの話でし...

この記事を読む »

一保堂のいり番茶

ハードボイルド [東京で京番茶を入手する]

京都で「番茶」をいただくと、他の地方とはかなり違ったものが出てきます。 中国茶のラプサンス...

この記事を読む »

セットの中身

いとしのジャンクフード [想夫恋の焼きそば]

調理前以前書いたお好み焼き 朝日堂のページに想夫恋(そうふれん)の広告が出ているのが目に留まりまし...

この記事を読む »