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とあるメーカーさんが、オンラインショップサイトを作りたいとおっしゃるので理由を聞いてみると、ご担当者や事業部のみなさんが口々に言うのは「インターネットにアンテナショップを持ちたいから」だそうで。
ちょっと考えると分かることなんだけど、オンラインショップにいわゆるアンテナショップ機能を期待するのはまちがってます。
アンテナショップっていうのは、コンシューマー向けの製品を作るメーカーが製品のユーザーであるお客さん(と見込み客)の声を拾ったり、地方自治体が地方の産品を都会のお客さんに広めたり反応を拾ったりすることを目的にしています。つまり、ショップで顧客と直接対話をすることで、売上数値などの定量的な情報以外の、製品に対する反応などの定性的な情報を集めるのが第一の目的。そして、人口が多い場所で製品を露出することで認知を獲得するのが第二の目的。
ところが、オンラインのショップを開いても、お客さんは黙って画面を見てクリックするだけなので、定性的な情報なんて集まるわけがない。また、オンラインで商品の認知を獲得する手段として「新しいサイトを作る」というのは、以前に書いた
フィールドオブドリームズ症候群の典型的な症状ですね。
オンラインのアンテナショップの運営で身に付くことといえば、どうやったら検索エンジンの上位にリストされるか、リスティング広告でどんなワードを買うと売上につながりやすいか、どんな画面レイアウトにすれば「買う」ボタンをスムーズに押してくれるか、と言った、オンラインでのトラフィック獲得とコンバージョン上昇のノウハウぐらいなものではないかと。
なので、メーカーさんの場合、オンライン直販に特化するとかいうのでもないかぎり、オンラインのアンテナショップなんて全く無意味。
見込み顧客の動向や思惑を探りたければ、検索サイトにキーワード広告を打って反応の統計を取ったり、エサを撒いてオンラインサーベイを仕掛けたり、やるべきことはほかにたくさんあります。