私、P2Pの味方です [テクノロジーアレルギー]
樋口 理 2007/7/11 16:14
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今となってはMicrosoftの一部になってしまったGrooveがまだ独立した会社だったころ、その日本法人を立ち上げる検討をしていたことがあるのですが、検討の段階でGrooveがP2P技術を使っていることが日本の企業に導入する上での大きな障害になりそうなことがわかってきました。
P2Pの技術を使って不正ファイル共有をしている人がいることがクローズアップされて、P2P技術そのものが悪者扱いされていたのです。
よい子のみなさんは「P2P技術は不正ファイル共有の温床」という意見は「TCP/IP通信は不正ファイル共有の温床」とか「鋼を作る技術は殺人の温床」と言う主張と同じぐらいナンセンスな議論だということは分かると思いますが、最近でも、たとえば企業の中でSkypeを使うことを目の敵にしている人に時々会います。理由を聞いてみるとSkypeに特有な問題点を指摘して合理的な議論をする人はまれで「Skype=P2P=悪の温床にちがいないから俺様の会社には入れさせない」といった思考停止した説明を聞かされることがほとんどです。
コミュニケーションコストが削減できないことはともかく、そういう会社の人はSkypeに傾倒している海外の取引先とのコミュニケーションのネットワークに入れてもらえずに、ビジネスのチャンスそのものを失っているわけで、その機会損失はバカにならないはずです。
ちゃんとリスクとメリットを分析して理性的な判断をすればいいのにと思いますが、思考停止した人にはどう説明してもらちがあきません。明治時代に「電話はコレラを伝えるから使っちゃいけない」なんていうことを言っていたそうですが、人間の通信技術に対する反応なんて、そこからそんなに進歩してないのかもしれないですね。
そういった迷信を打ち消して正しい認知を広げていく布教伝道活動も大事なマーケティングのお仕事であります。がんがれ>誰とはなく
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