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エージェンシーの人と言えば、私が勝手に師匠とお呼びしている
Yさん(特に名を秘す)は、かつて大手外資系広告エージェンシーにお勤めでした。当時の武勇伝をよくお聞きするのですが、そのうちのひとつ。
当時、ある世界的なダイヤモンドシンジケートの広告宣伝を担当していたYさんは、年に一度のダイヤの展示会のために、福岡の博多駅前にある、とある大手ホテルで会場設営の指揮をしていたそうです。忙しい設営作業のさなか、わずかな時間がとれそうだったので、今のうちに急いで食事を済ませておこうと、ホテルでも一番早く食事が取れそうだった寿司屋に駆け込み、寿司を注文しました。出てきた寿司を急いで口にしたYさん、醤油が異常に濃くて甘かったのでびっくり。何気なく板さんに「うわ!甘い。ねえ、普通の醤油ないの?」と言いました。
それがきっかけとなり、すったもんだがあって、無礼な板さんの物言いに激怒したYさんは、設営途中の会場を撤収、当時福岡に進出したばかりの別のチェーンのホテルに会場を移してしまうという大騒ぎに発展するのですが、この話はご本人の口から聞いたほうが100倍ぐらい面白いので、チャンスがあれば聞いてください。
今は無き飯倉片町のショットバー「ブロンクス」でこの話を聞いたとき、九州出身の私は大笑いしながら「だって、Yさん。九州の醤油は甘いから、それが『普通』なんですよ」と申し上げました。
たしかに、九州の刺身醤油は甘いのです。味醂で割って煮切ってるんじゃないかと思うぐらいに甘い。でもその味で育った者にしてみれば、それが普通の味なわけで。
さて。
先日、正月に帰省して、実家で近所の寿司屋から取った寿司を食べました。まず、白身の握りをつまみます。九州の寿司でいちばんエライのは白身の魚です(まあ、そうでなくてもたいてい白身から食べますけど)。
寿司屋が持ってきた醤油をちょっとつけて寿司をほおばったとたん、思わず「うわ!甘い。普通の醤油持ってきて」とそこにいた弟に向かって言いそうになって、言葉を飲みました。
こんな基本的な味の好みなんてそうそう変わるものではないと思いこんでいたので、これはかなりショックな事件ではありました。そのうち「とんこつラーメンはどうもねぇ」なんて思い始めたらどうしよう。
Yさんのコメント:
私にもそんな元気な年頃があったんです。
後年、今は無き某ロータス社の某社長(無くなったのは会社であって、某社長ではありません。)と博多の飲み屋に入ったら、やはりトロリとして甘ったるい醤油が出てきたのですが、少し大人になっていた私は必死に我慢しました。 某社長が「普通の醤油は無いのか?」と切れそうになっていたのでとても可笑しかったのを思い出します。
あの醤油は、どうやら関東以北出身の田舎モンにとっては鬼門のようです。 博多ラーメンもうまいと思ったことが無いし、地元で評判の屋台で食ったラーメンなんて不味かったですね。
樋口さんの味覚も低きに流されてるんじゃないですか? 気をつけなきゃ。
(今夜は鹿肉のシチューでした。 ヒジョーに結構ではありましたです。 まだ、骨付きの足が2本残ってます。)