Centurion Card Invitation Kit
アメックスが昔テレビで「メンバーシップ、それが特権®」というコピーを流していました。それ以来「特権意識="privilege" を売る」という商売になんとなく興味を持っています。
なんでこんなことを思い出したのかというと、突然アメックスから25センチ四方、厚さ2センチぐらいのやたらと重たい簡易書留が届いたことがきっかけです。


書留の中を開けてみるとやたらと上質なつや消しの黒い紙でできたバインダーが出てきました。三面開きのバインダーを開くと左右に大小のパンフレット、真ん中にはベロア(ベルベット?)のシートが張ってあって、その中に黒いアメックスカードが納まってます。
アメックスが昨年あたりから日本でも導入を始めたというセンチュリオン(Centurion)という、プラチナのさらに上のエライカードのようです。すでに私の名前とカード番号が刻印されていて、電話一本かけるだけですぐにアクティベートして使えると書いてあります。
使えるといっても、もちろんタダで使わせてくれるわけではなくて、クレジットカードの会費としてはとてもとても高い部類に入るだろうと思われる年会費を払うことになります。
その会費に“ふさわしい”内容のサービスとして、プラチナカードのサービスに加えて「ジェット機のチャーター」とか「インターナショナル・クルーズ・プログラム」とか、私にはあまり、いや、およそ用のなさそうなサービスが列挙されていました。
「こりゃ、自分には関係ないわ」とは一応思ったのですが、ふと我に返ると「これだけの会費だったら、月当たり○○円だから、アレとアレをがまんして、コレぐらいのサービスを享受すればペイするかな」とかまじめに考えていたりする自分が情けない。みごとに "Privilege" のわなにはまっているのですね。

単なる「ご招待状」ではなく、電話1本かければすぐにアクティベートできる状態のカードを恭しく贈り届けるプレゼンテーションも、AIDMAのIとDとMをすっ飛ばさせる直情型マーケティング手法の王道のようで、実に心憎い限りです。

航空会社のマイレージプログラムや、ホテルチェーンのメンバーシッププログラムにも、この種の "Privilege" をうまくくすぐって顧客をロックインする仕組みが巧みに編みこまれています。

というわけで、マーケッターの端くれとしては、こういう手法をいろんなところで手を変え品を変えながら真似してみたりもするのですが、うまく行くこともあるし、うまく行かないこともあります。
どうやら、世の中には特権意識に弱い人とそうでない人の2つの種類がいるようです。生まれつきの "Privilege" の有る人ほど、こういうものにはあまり興味を示さないような気がします(私は生まれつきの "Privilege" がないので、この手に弱い)。自然なことかもしれません。

それにしても、常々思うことなんですが、日本のAMEXの会費は、アメリカ本国に比べてどうしてこんなに高いんだろう。どのカードもだいたい本国の2倍ぐらいですよね。日本はまだバブルがどこかに残っているのかな……