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The means justifies the ends

ダイソンのアレは、ホントに静かで、ものすごい勢いで髪が乾くスグレモノでした

先日、ダイソンの新製品発表会に招待されまして。
またまた新しいジャンルの製品、それもサー・ジェイムズ・ダイソン自ら東京発で世界に向けて行うプレミアとのことで、行って参りました。

発表された新製品は、これ。

ヘアドライヤー、Dyson Supersonic(スーパーソニック)。名前からして強そうです。

ダイソンさんとお仕事するようになって2年ぐらい。この技術者集団のやりかたがだいたい分かってきた気がします。

これまで、掃除機、スティック型掃除機、ハンドドライヤー、扇風機、ファンヒーター、加湿器、空気清浄機と、いろんなジャンルの製品が出てきましたが、その全部に共通しているのは、

  • 圧倒的に小型で強力なオリジナルのデジタルモーター
  • モーターによって作られる強力な空気の流れを自在に操る技術
  • その技術で、日々の生活の中の特定のフラストレーションを解決するのがゴール

ということ。

およそ5000万ポンド(80億円)の開発費!これは開発中のモックアップの数々

今回の製品で解決する課題は「髪を短い時間でキレイに乾かしたい」ということ。そのために実現した従来のドライヤーとはまったく違う特徴は

  • 得意の「空気の流れをなんとかする」技術で乱流のない棒のような風、圧倒的な風圧と風量
  • 風で乾かすので熱に頼らない。ヒーターも制御していて、熱くない!髪と地肌を痛めない
  • 小型高速モーターとタービンのようなインペラーをハンドルの中に配置。トップヘビーじゃなくて長い間使っても取り回しが楽ちん

の3点と見た。

発表されたばかりの Dyson Supersonic をおみやげにいただいて(えへへ)実際に使ってみましたけど、こりゃほんとにびっくり。私は髪を短く刈り上げているので、正味20秒で地肌まで気持ちよく乾く!
そして、地肌にガンガン風が当たっているのに、まったく熱くない。ぬるく感じるぐらいの一定の温度。毛が細くなってきて地肌が透けぎみのオッサンには、毛根のダメージがなさそうなのもうれしい。
ドライヤーに4万円払うかと言われると正直なところオッサンは考え込んじゃいますけど、身の回りの働くおねえさんたちには意外なほど(失礼)好評。朝の忙しい時間を5分でも10分でも買えるとか、髪がキレイに仕上がるとかいったことが相当魅力的らしいです。そんなもんですかね。

くわしくは、ジェイムズ・ダイソンに直撃質問した堀さんの解説とか
http://lifehacking.jp/2016/04/dyson-supersonic/
女子の目線で実際に髪を乾かしてみたまゆみんのレビューとか
http://uramayu.com/blog/2016/05/dyson_dryier.html
発表内容を過不足なく伝える flick!News のレポートとか
http://blog.sideriver.com/flick/2016/04/dyson-supersoni-7520.html
あと、発表の様子を鵜呑みにしてそのまに伝えるメディアを痛烈に批判した岩佐さんのぼやきとか
http://d.hatena.ne.jp/wa-ren/20160428/p1

などなど、みなさんにすっかり語り尽くされている感があるので、higuchi.com ではちょっと違った視点から。

製品発表のとき、壇上に立ったジェイズム・ダイソン氏が最初にこの製品に使った形容詞は “quiet” だったんです。サー・ジェイムズは、こいつが静かだということを自慢したいらしいぞ。
BBCでも “quieter” って強調してるし。
http://www.bbc.com/news/technology-36138008
これは調べてみなくては。

うちにあった使い古した三洋電機製の従来型ドライヤーと、Dyson Supersonic とで、ガチの騒音対決をしてみました。

測定環境はこんな感じ。

ドライヤーから騒音計までの距離は70cm(これが変わると測定結果が大きく変わりますからね)。どちらのドライヤーも垂直に立てた状態で固定します。

ハンデをつけて、従来型のドライヤーは通常の風量で。ダイソンは3段階のうち中と最強の両方で、対決!

あれれ?聴感上はあきらかにダイソンのほうが静かなのに、騒音計の読みは、従来型の方が低い。ダイソンは中の強さでも2〜3dBほど、最強だと6dBほど大きい数値が出ています。
そして音質がまるで違います。
従来のドライヤーはゴーっという低い音が盛大に鳴っているのに対して、ダイソンはシャーっという乾いた軽い音。
で、Macにマイクをつないで、スペクトラムアナライザーで分析してみると……

緑が従来のドライヤー。赤がダイソン(最強モード)。
一目瞭然、特に人間に聞こえる低い周波数の部分はダイソンのほうが圧倒的に低レベル。RMS(実効値)平均で軒並み10〜20dBぐらい静かです。
そういえば、発表会のときに、騒音を可聴領域の外に追い出すために、インペラーの羽を12枚から13枚に増やしたって言ってたっけ。

これが、インペラー。発表会の招待状に同封されてました。ドライヤーのハンドルの中で、デジタルモーターにくっついて毎分110000回転で回って風の元を起こしているやつ。一つ一つ工場で精密加工機械が削り出した現物です(発表会で流れた工場の映像には、ドイツのどこかの会社と日本の平田機工の生産設備が写ってた)。
13枚×110000回転/分≒23833Hz。よく見るとその辺にピークがありますね。
ダイソンの音をレベルを上げて見てみます。

ありました。マイク入力には20KHzあたりから上の音を切り落とすフィルターが入っているはずなので、このグラフではやや小さく表示されていますけど、騒音計はこの「聞こえない音」を拾って高い値を表示しているようです。

安心して「ダイソンのドライヤーは静か」と言ってよさそう。
そして、どうやら、ダイソンは静かに強い空気の流れを作り出す新しいワザをひとつ手に入れたようですよ。

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