The means justifies the ends
床に散らばった米粒とか猫砂とか、掃除機でうまく吸えないじゃないですか。
掃除機のヘッドがブルドーザーみたいに押しのけてしまった粒々が壁際に溜まってしまってイライラすること、ありませんか?
隙間ノズルに変えれば大きな粒状のゴミを吸い取りやすくなるけど、そのかわりにホコリとかハウスダストが吸いにくくなる。だいたい、ゴミやホコリの大きさに合わせてヘッドを付け替え直さないといけないなんて、なんか間違ってる。
という今までの掃除機のジレンマをあっさり解決した全能、最強の掃除機、ダイソンから出ました。
しかも、コードレスのスティック型。
ダイソン DC74 (ダイソン社の商品紹介ページ)
ダイソンのショールームで行われた新製品の記者発表会に紛れ込んできました。
吸引力には定評があるダイソンの掃除機。目に見えないような細かいホコリ(ダスト)を逃がさず吸う力は圧倒的だったんですけど、米粒みたいな大きめのゴミ(デブリ)はほかの掃除機同様に手こずっておりました。
この「米粒問題」を解決するためにダイソンのエンジニアが手をつけたのは、吸引力ではなくて掃除機のヘッド。吸い口です。
これが、新製品 DC74 のために開発された掃除機ヘッドのカットモデル。
柔らかいナイロンのフェルトと静電気を抑えるカーボンファイバーのブラシを植え込んだ筒がヘッドの中で回転して、大きなゴミから小さいホコリまで根こそぎ巻き込んで吸い取るしかけ。
発表会では、DC74 と、国産メーカーのスティック型掃除機やキャニスター型の掃除機で、床の上のゴミを吸い込んでみる比較実験もやってました。
フローリングの床に木くず、ハードフロアの溝に重曹、畳に猫砂、カーペットに肥料を撒いて、3台の掃除機で一斉にワンストロークだけ吸ってみた結果が、これ。
従来の掃除機は溝の重曹は吸い残し、木くずや猫砂はブルドーザー状態で押しのけてしまって吸い残し、カーペットは肥料まみれなのに、一番右の DC74 だけはキレイに残さず吸い取ってしまいました。
自分でも床にゴミを撒いて吸ってみましたけど、これはもう、快感。気持ちいー! 一発でガンガンすっきり吸い取っちゃう。
ジェームズ・ダイソン氏が「エンジニアの仕事は、日々の生活のフラストレーションを解消することだ」みたいなことを言ってましたが、これはまさにそれですね。
掃除機を使うのが楽しくなりますよ。
【追記】記事公開後に「床に散らばった米粒は掃除機で吸うんじゃなくて、手で一粒ずつ拾い集めるんじゃないのか?」というご指摘をいただきました。まったくもってそのとおりであります。私もリアルな米粒は手で集めます。
というわけで、記事中の「米粒」は「米粒程度の大きさのゴミ」ぐらいの意味で読み解いていただければ幸いであります。