The means justifies the ends
20年来の花粉症でして、部屋の中に飛散する花粉を少しでも減らそうと、空気清浄機を使って来ました。
その空気清浄機、一時期流行した「イオン式」なんていう怪しげなやつはだいたい淘汰されて、今は部屋の中の空気をファンで吸い込んで、フィルターを通して微粒子を除去した空気を吹き出す「ファン式」に収斂してきたようです。
さて、その「ファン式」の空気清浄機の性能について。
これといった根拠無く「風も立てずに静かに微粒子を吸い込んでいるやつがエライ」というイメージを持っていたのですが、冷静に考えると、これは大きな勘違い。
空気清浄機は、風量と風圧が大きいものじゃないと意味がない。風の弱い空気清浄機は役立たずなのであります。
ファン式空気清浄機は、いらない微粒子が混ざった部屋の中の空気をフィルターで濾して吐き出す機械です。微粒子の混ざった部分だけを選択的に吸い込むということができない限りは、部屋中の空気を綺麗にするにはとにかくひたすら空気を吸い込み続けるしかない。風を立てない、すなわち風量が小さいということはフィルターを通す空気が少ないということ。つまり、空気を濾してないということです。
さらに、空気清浄機自身は一カ所にじっと固定されているので、基本的に空気清浄機の近くの空気しか吸い込めない。遠くにある汚れた空気を吸い込むには、部屋の中の空気に対流を起こして遠くの空気を近くに引き寄せないといけません。そのためには、きれいにした空気を遠くまで吹き付ける風圧が必要になります。
そして、どれだけ小さい微粒子を取り除けるかは、フィルターの目の細かさで決まります。目の細かいフィルターは空気を通しにくいですから、そのためにもファンの風圧が必要になります。
まとめると、ファン式空気清浄機の性能は次の3つの要素で決まると考えられます。
そんなわけで、強力な空気の流れをなんとかするテクノロジーの会社であるダイソンが空気清浄機を開発したのは、ごく自然な成り行きなのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、先日、青山スパイラルで行われたダイソンの空気清浄機、正確に言うと空気清浄機能付き扇風機の「Dyson Pure Cool」の記者発表会に潜り込んで来ましたので、その様子をご紹介。
ダイソンの微生物学者、トビー・サヴィル氏。PM2.5の25分の1の微細粒子PM0.1まで除去できる、ということを力説中。
自ら開発したHEPAフィルターカートリッジを手に説明するエンジニアのオラ・パピエルォゥスカさん。
PM0.1レベルの粒子をつかまえるグラスHEPAフィルターがカートリッジの中にプリーツ状に折りたたまれて入っているけれど、プリーツを引っ張り伸ばすと、この長さ。
本体に装着したところをカットモデルで見ると、こんな感じ。
微細な粒子を圧倒的な風量で吸い取るデモ。
スモークマシンのスモークをアクリルの箱の中に焚いて……
Dyson Pure Cool のスイッチを入れる。
みるみる吸い取られて、フィルターを通ったきれいな空気が吐き出されます。
動画で見るとこんな感じ。
この勢いで、60分で26畳分の部屋の空気をきれいにできる、空気清浄機能がついたファン Dyson Pure Cool。4月28日発売だそうであります。