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Life is beautifulの中島さんが書かれている「
こんな商品が欲しい:風呂に浮かべてビデオを鑑賞できるiPod希望」に一票。
いや、「おいらも風呂専用iPodが欲しい」という意味ではなくて(ちょっと欲しいけど)、
いわゆる「多機能携帯電話があれば、デジカメもiPodも、ひょっとしたらパソコンすら不必要なんじゃないの?」という「統合デバイス神話」
は信じられなくて
「デバイスは統合されるどころか、TPOに応じたさまざなデバイスが作られることにより分化が進み、そのうち窓ガラス埋め込みデバイスとか、使い捨てデバイスとかができる」
と思う、という点に賛同します。
10年以上前の Wired に“
The embedded internet”というおもしろい記事が載っていてこのお話はいまだによく引用するのですが、その記事によると20世紀の初め頃には、シアーズのような小売店で普通に「ホームモーター」なる商品を売っていたんだそうです。電気で回る普通のモーターで、これを一つ買っておけば、いろんなアタッチメントを取り付けるだけでさまざまなご家庭の仕事を楽にしてくれます。たとえば、泡立てアタッチメントをつければクリームや卵を泡立てられる、ファンアタッチメントをつければ風を送ってくれる、磨き用アタッチメントをつければ削ったり磨いたりが簡単になる、バイブレーターアタッチメントをつければマッサージできる、という夢のような商品。
ホームモーターの「アタッチメント」を「アプリケーション」とか「プラグイン」とかと読み替えると、現在の多機能ほにゃらら(携帯端末とか、PCとか、あるいはインターネット)ってこのホームモーターと同じ構造です。
その後の歴史でホームモーターがどういう進化を遂げたはご存じの通り。モーターが回転数やパワーを増やし、アタッチメントの種類が増えて(高機能、高性能化して)進化したかというとそんなことは全然なくて、逆にモーターが埋め込まれた単機能・単用途の家電製品に分化し、ホームモーターという製品は消えてしまいました。
なぜかって?そりゃ、経済的に許されるならば、専用に特化した機能をそれぞれのシチュエーションに応じて別々に使った方が圧倒的に便利だから。「この電動トイレブラシはアタッチメントを変えればお風呂の目地磨きや、なんと歯磨きにも使えます。消臭機能付き!(ちょっと重たいけど)」なんてのを使うぐらいなら安い電動歯ブラシを別に買うなあ。トイレ掃除中でも歯が磨けるし。
同じ理由で「この電話は、メールはもちろん、表計算もできるし、音楽やビデオも楽しめます。そのうえ電車に乗れて、さらに友達とお話もできます!」なんてのよりは、私はやっぱり別々のデバイスのほうがいいや。