線路の向こうのビルの上から放送中。
スピーカーを拡大してみました。
JR神田駅の中央線のプラットフォームの階段付近に立っていると、どこかの国の乱数放送ばりに抑揚と感情を押し殺し、平板な調子で原稿を朗読する女声アナウンスが聞こえてきます。携帯電話の音声メモでいくつか録音してきました。こんな感じです。
音の主は線路の向こうのビルの屋上にあるホーンスピーカーで、いろんな会社の広告メッセージを読み上げる声が延々と流れてきます。
線路とプラットフォームは高架になっていてスピーカーはこちらを向いていますから、どうやら地上の人ではなく、このプラットフォームの上の人だけを対象にしているようです。いわば、ターゲッティング広告ですね。
昭和の頃はこういう街頭宣伝放送があちこちにあったように記憶していますが、いつの頃からかほとんど見なくなりました(本厚木のかばん屋さんはまだやってるんだろうか)。無差別に音を撒き散らす宣伝手法はスパムと同じで歓迎されないでしょうし、騒音関係の規制もうるさそうです。
ここのは、線路の騒音がもともとうるさいのでややこしいことを言われずに生き残ったのでしょうか。
神田駅のプラットフォームに立って中央線の電車を待っている人だけにターゲッティングする広告って、ターゲットが絞れているのか絞れていないのかよくわからない気もしますが、こんなほのぼのとしたのを聞いていると、料金はいくらだろうかとか、1時間あたり何回ローテーションするんだろうかとか、リーチはどのぐらいあるんだろうかとか、1人当たりの接触時間はどのぐらいだろうかとか、ターゲットへのコンバージョンレートはどのぐらいあるんだろうかとか、そんな世知辛いことはどうでもいいように思えてきます。
「携帯電話のエリア情報やSuicaの経路情報を使って、携帯や改札機の画面にパーソナライズされたエリアターゲッティング広告を送り込もう」なんていう脂ぎった考え方とはある意味対極にある古き佳き広告ではあります。
jniinoさんのコメント: