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このサイトでも使っているブログシステム、Nucleus CMSの日本語版の配布やサポートを行っているサイト
japan.nucleuscms.orgは開設以来ずっとご本家の
国際版のサイトのサーバーの上で運営してきました。ところがここのところスパムやらアタックやらが増えたこともあって、日本語版サイトにかかるサーバーの負荷が重たくなり、ご本家のサイトまで道連れにして遅くなったりサーバーが止まったりすることが続いたため、急遽日本語サイトだけを別のサーバーに切り出すことにしました。
最初のhiguchi.comをアメリカのDigiwebというホスティング会社のレンタルサーバーに作った1996年のゴールデンウィークからかれこれ10年、自分のサイトをはじめ知人の個人サイト、会社のサイトなど、ずいぶんたくさんのサーバーをいろんなホスティング会社で借りてきましたが、何回やってもホスティング会社選びは悩みます。
Nucleus CMS日本チームの英知を集めてあれこれ考えた結果選んだホスティング会社は幸い『当たり』だったようで、サーバーは大変安定して高速に動いています。
そこで、今回のプロセスの中から出てきた、ホスティング会社選びのコツをいくつかご紹介します。
- やっぱ、アメリカでしょ:最近は国内にもホスティング会社がたくさんあって、ずいぶんと低価格で安定したサービスを提供してくれていますが、それでもアメリカに比べると日本のホスティング会社はコストが高い。ネットバブルのころに半端でないネット社会資本投資をして散った会社たちの遺産と、安い土地と、安定した労働力で力任せのコストダウンができるアメリカに一日の長があります。大量のトラフィックが必要で太い線で日本のIXにつながっていなければいけないのなら別ですが、月間数十GB程度のサイトなら、アメリカが安くて安心です。
- ホスティングプランの数字を鵜呑みにするな:広告や自社Webサイトでべらぼうに大きい(場合によっては無制限の)月間トラフィック量やディスク容量を謳っている月額10ドル程度のホスティング会社がたくさんありますが、この手の会社はまず間違いなくダメです。『ディスク容量無制限』は、そうは言っても平均的なWebサイトは数十〜数百MBのデータしか使わないということを前提にしているだけで、実際には1台のディスクをかなり多数のホストで共有していますから、CPUがボトルネックになる可能性が高いです。『トラフィック無制限』も同じ理屈で平均的なサイトを基準に回線をかなりの数のサイトで共用しているはずで、そもそもホスティング会社の変動費の重要な部分を占めるはずのトラフィックが無制限だったら経営が成り立たないはず。higuchi.comでもこの手のホスティングを試したことが何度かありますが軒並み不安定で、中にはDNSを切り替えたとたんにみるみるサーバーのレスポンスが遅くなってつながらなくなったなんていうところもありました。
ホスティングプランではありませんが、『Uptime 100%』なんていうのもダメ。サーバーのソフトのパッチ当てだとかバックボーンの工事でダウンタイムは避けられないはずなのに、それがないというのはなにかが間違っています。
なにごとにつけモノには相場というものがあるわけで、たかだか月1,000円程度で止まらない無制限のサーバーが借りられるなら、苦労はしません。
- クーポンばらまきに気をつける:他のサイトにPromotion Codeなどをばらまいておいて、申し込み時にそのコードを入力すると割引します、というのはよく行われていますが、この手のプロモーションが極端に活発な会社は疑ってかかりましょう。無理にユーザーを詰め込んでいる可能性が高いので要注意。安かろう悪かろうの典型です。
- 風雪に耐えているか:会社概要のページをチェック。会社が長く続いているところはそれなりに安心できます。ただし、いろんなホスティング会社の買収を重ねて大きくなって続いている、というようなところは買ってきた筋の悪い会社のホスティングプランがそのまま残っていたりするから要注意。90年代からずっと自前一筋でやっているようなところは、たいてい安定しています。
- サポートの質をチェック:借りる前に、プリセールスのサポート窓口にちょっとした質問をしてみるのも効果的。たとえば「PHPのバージョンは?Multibyte文字対応してる?」とか「MySQLはUnicode使えるバージョンか?」みたいな質問にすっと的確な答えが返って来るところは安心。この程度の基本的な質問へのレスポンスに時間がかかるところは全般的にサポート体制が弱い可能性があり。
- 世間の評判を聞く:ホスティングは使ってみて「あちゃー」ということがままありますから、やっぱり実際に使っている人が満足しているかどうかを見るのが一番。
ちょっと検索すると、よくホスティング会社ランキングサイトみたいなところに行き着きますが、あれはたいていアフィリエイトで紹介料を稼ぐのが目的で、評価基準すら提示されていないことが多いですから信用できません。生の声を探すべし。
2ちゃんねるで「○○ってどうよ」と聞いてみるのもアリでしょうが、アメリカのホスティング会社の場合、確実なのはGoogleで英語のブログなどの評判を読んでみること。"○○○ sucks"*1(○○○の部分にはホスティング会社の名前を入れる)で検索してみてたくさんヒットするところはダメ。
- 支払いは月極で:月々の払いに比べて、6ヶ月分とか1年分を前払いすると割安になるというプランがよくありますが、最初は月々の払いにしておくのが賢明です。悪ければすぐに変えられるのがレンタルサーバーの利点です。信頼して長くつきあえると思ったらそのとき考えればよろしい。
そんなこんなで、今回選んだのは
WestHostという会社。Linux VPSでSSHでシェルが使えてディスク容量4GB、月間転送量65GBで月額9.95ドル(2年払いのとき)のプランに、専用IPアドレスをつけてもらうオプションをつけて使っています。
実は、私もこの会社を使っていて、安定していてパフォーマンスがよかったという実績が決め手でした。ちなみに、私のサイトはこのほかに
GoldvisionというFreeBSDで本物のroot権限がもらえるバーチャルサーバーも使っているのですが、今回のサイトは少々トラフィックが多そうだったのでデータ転送量の上限に少し余裕があるWestHostに決定。
WestHostにNucleusをインストールするときの手順のメモなどを書き留めておきましたので、もしお使いになる方がいらっしゃれば参考にしてくださいませ。
1: ちなみにsuckという動詞はこの場合「○○サイテー!」ぐらいのニュアンス。だれかに面と向かって"You really suck!"なんて言われたら、たぶんあなたはかなり嫌われてる。
miyanoさんのコメント: