The means justifies the ends
ソニーがVAIO事業を売却するのではないかという報道に関して、ソニーからプレスリリースが出ました。
自分の古巣でもあり、とくに VAIO 事業はそのころ勤めていた事業部の直系の血脈で、当時の同僚もたくさんいるので、いろいろ思うところはありますが、それはともかく。
このプレスリリースが興味深い。
短いので、全文引用しますね。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201402/14-0205/index.html
2014年2月4日、5日付の一部報道内容に関して
2014年2月4日、5日(日本時間)に、当社が国内PC事業について日本産業パートナーズ(JIP)と新会社を設立する方向で検討しているという一部報道がありましたが、当社の発表によるものではありません。これまでお知らせしている通り、当社はPC事業についてさまざまな選択肢を検討していますが、これ以上のコメントは差し控えます。
これ、プレスリリース文のお作法で読み説くと、PC事業をJIPに売却して新会社を設立する検討をしているという報道を事実上認めている文面だと思われます。
数日前にソニーから出た同様のリリースと比べてみるとよくわかります。
VAIOの事業をLenovoに売却する交渉に入った、とする報道に対するこれ。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201402/14-0205/index.html
2014年2月1日付の一部報道内容に関して
2014年2月1日(日本時間)に、当社がPC事業についてレノボ・グループと合弁会社の設立に向けた交渉に入った旨の一部報道がありました。これまでお知らせしている通り、当社はPC事業についてさまざまな選択肢を検討していますが、PC事業に関する当社とレノボ・グループの提携に関する報道は事実ではありません。
一見、どっちも同じような文面なんですが、決定的に違うのは、レノボの件は「報道は事実ではありません」と明確に否定していたのに対して、JIPの件は「(報道された内容が)当社の発表によるものではありません」になっているところ。これ、業界標準のテンプレ。事実上の肯定。
そういう事実があることは否定しないけれど、ウチが言ったんじゃないからね、という意味。
事実を公にできる段階になったらすぐに発表して「うちはなにもウソ言わずに、決定した事実だけをお伝えしてきたでしょ?」と胸を張れますね。
文末に新しく添えられた「これ以上のコメントは差し控えます」も味わい深い。次に何かコメントを出すのは、なにか決定事項を公にできるとき。そう遠くなさそうです。
安曇野のみんな、元気にしてるかなあ……。