The means justifies the ends
ダイソンがスポンサーになってエフシージー総合研究所といっしょに行っているハウスダストの実態調査。寝具に潜むダニの採取に続いて、寝室の床のホコリを吸い取って調査するために、発売になったばかりのダイソンの最新式キャニスター型掃除機 DC63 が届きました。
うちには8、9年前に買ったダイソンの DC12 という掃除機がありまして、正直なところ「掃除機なんて枯れてイノベーションのないジャンルの製品、何世代か前のやつと最新式って言ってもそんなに大きな違いがあるわけない」と高をくくっていたのですが、その予想は軽く裏切られました。
申し訳ありませんでした。なめておりました。他のメーカーはわからないけれど、ダイソンに限って言えば、10年前の掃除機なんてすっかり旧世代ですよ。もうね、おまえは Pentium Ⅲ かと。昔のダイソンをちょっと使ったことがあるぐらいの経験で今のテクノロジーを批評している思い込みレビュアーさんたちは、今すぐ悔い改めるべき。
DC12 と DC63 を並べて置いてみたところ。
まず、手に持ってみて重さがまるで違う。DC12 の本体重量 4.1kg に対して、DC63 は 2.75kg。DC12 は重たくて階段を持って上り下りするのがイヤになるぐらいだった(で、2階は別に買った安物のスティック型掃除機ばかり使うようになっていた)けど、DC63 はそういうことなさそう。
そして、二回りぐらい小さくなった上にボール型の形状になったので、取り回しが見違えるほど楽ちん。DC12は、ホースで引きずりながら掃除していると本体があちこちにぶつかってひっくり返ったりして(そして重いし)けっこうイライラしたけれど、DC63 は狭い部屋でもホースについて転がってくる感じ。
小さく軽くなったのに、ゴミを吸い取る力はおそろしくパワフルになっています。これはたぶん、第6世代になったダイソンデジタルモーターの威力。ダイソン製品のコア技術の一つは自社製モーターだと思う。ブラシレスのDCモーターを効率よく最強のパワーで回すようにプロセッサ制御していて、その設計と製造の技術は門外不出。
そして、最大のコア技術は、おおきなゴミから細かいホコリまでを空気から遠心分離するサイクロン。DC12 では大きめのサイクロン円錐が6つ並んだ構造だったけれど、DC63 はサイクロンが2層24個。0.5ミクロンぐらいのホコリまで分離してしまうそうです。PM2.5 の粒子の5分の1の直径の微粒子までつかまえちゃう。
なので、サイクロンの後についているプレモーターフィルターに漏れてくるホコリがほとんどなくなっていて、DC12 ではフィルターを1か月毎ぐらいに水洗いしないといけなかったのが、DC63 では1年に1回ぐらいでいいらしいのです。これはすごい進化。
さらに、モーターの後についているHEPAフィルターはメンテナンス不要なんですと。ホコリだらけの排気を無理矢理HEPAフィルターでキレイにするんじゃなくて、もともとキレイな排気を念のためにHEPAフィルターに通している、というぐらいのイメージでしょうか。
アタッチメントのツールも進化してました。
なんか、いろいろついてきた。
標準のヘッドはモーターでブラシが回るタイプだけど、ブラシに静電気が起きてホコリがつくのを防ぐために、導電性のカーボンファイバーブラシ。
そしてなんかわからない空気タービンのついた小さいヘッド。
ひっくり返してみるとこんな構造。
髪の毛とかがからみにくい、回ってかきとるブラシですと。メカっぽい。
さて、ダイソンと言えば「音がうるさい」というのが枕詞のようについてきますけれど、本当のところどうなのか計測してみました。
計測環境はこんなセットアップ。
掃除機から騒音計までの距離は1.2mぐらい。JISとかの基準では1m離れたところでの騒音レベルを比べるようなので、騒音の絶対値は参考として、それぞれの相対的な差を見ていただければと思います。
DC12 と DC63、それから、押し入れの奥から出してきた一昔前の国産紙パック式掃除機の比較です。
DC12: 76.6dB
DC63: 76.9dB
国産機: 74.0dB
DC12とDC63は0.3dBの違いなので、ほぼ同じぐらいのレベル。国産機に比べて3dB弱大きい。意外なことに、そんなにびっくりするような差じゃないのですね。
音声付き動画で比べてみると、音の質の違いも聞いて取れます。
DC63は、回転数が高いのか、低く響く成分が少なめの乾いた音。
このあと実際に寝室のホコリを吸ってみたわけですが、それはまた近いうちに。