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The means justifies the ends

ダニダニ、どこダニ? [ハウスダスト通信簿1回目]

コナヒョウヒダニ先月、ベッドのマットレスから採取したハウスダスト、通称「謎粉」の中身を分析した結果がエフシージー総合研究所から戻ってきました(調査の概要と採取方法は以前の記事をご覧ください)。

おそるおそる結果通知を開いてみたら、数値が並んだ1ページのレポートと、謎粉の中から見つかったダニの顕微鏡写真、それから謎粉を培養して育ったカビ・真菌類の写真。

データの読み方がわからなかったので、ちょっと調べてみましたよ。

レポートは、こんな内容。

レポート

検査結果1は、採取したハウスダストの中のアレルゲンの量。Der ナントカというのは国際的に決まっているコナダニの仲間から出るアレルギーの元になる抗原タンパクの呼び名(たぶん、コナダニの学名のアタマ3文字のDer)で、Der ホニャララ 1  (いまのところ1から10まである)はダニの腸管由来で糞に含まれるタンパク。Der f 1 がコナヒョウヒダニ由来、Der p 1 がヤケヒョウヒダニ由来(fもpもそれぞれの学名の一部)なんだそうです。構造がよく似ているので、Der p 1 と Der f 1 を合わせて Der 1 と呼ぶこともあるらしい。

Der f 1 = Dermatophagoides farinae(コナヒョウヒダニ)から出る抗原タンパクの1番。
Der p 1 = Dermatophagoides pteronyssinus(ヤケヒョウヒダニ)から出る抗原タンパクの1番。

ダニがいるからハウスダストの中には Der 1 から Der 10 までいろんな抗原が混ざっているんだろうけど、今回のELISA法は、その中に入っている Der f 1 と Der p 1 だけを抽出して、量を正確に測定する方法みたいです。

ELISA法の測定キットを販売している会社の説明ページ:
http://www.kanto.co.jp/siyaku/der_elisa.html

我が家は検体のホコリが 1.92g 取れたのですが、その中の抗原の量が、ホコリ1gあたり Der f 1 が 4.25㎍、Der p 1 が0.01㎍未満だったということ。

検査結果2は、ハウスダストの中に混じっていたダニや昆虫の実物を分離して数えたものだそうで、我が家では 1.92g のホコリの中にコナヒョウヒダニの成虫が6頭(ダニは1頭、2頭って数えるんですね)と、ヒメカツオブシムシの幼虫が脱皮した殻の破片が1つ。

はたして、これが多かったのか少なかったのかわからなかったので、事務局の人にお願いして、全員の結果数値を匿名の表にしたものを見せてもらいました。
それをグラフにプロットしたのが、これ。赤くなっている #12 のサンプルが我が家。

抗原量

ダニ個体数

真ん中よりちょっと多いぐらいでしょうか。

小児のアトピー・喘息・皮膚炎の病態生理と診断・治療(斎藤博久著)という本によると、

平均的な家庭では,ふとんのホコリ 1g 中に平均 23.25μg の Der 1 が検出されます.厚生省の指定するアレルギー基幹病院であり,アレルギー疾患の人が集まる国立相模原病院に初めて来院した患者さんの家庭で同様な調査を行うと,敷きふとんのホコリ 1g 中に平均 9.46μg でした.さらに,国立相模原病院において,電気掃除機で家族全員のふとんを週に一回以上掃除するなどの指導を行い,しばらく外来通院した患者さんで同様な調査を行った場合,敷きふとんのホコリ1g中に平均1.97μgでした.

なお,ホコリ 1g 中に Der 1 抗原が 2μg を超えるとアトピー素因のある人はダニに対する特異的 IgE 抗体を作りはじめ,10μgを超えるとダニ・アレルギーで喘息の患者さんは発作をおこします.

とのこと。

小児のアトピー・喘息・皮膚炎の病態生理と診断・治療 : 
http://www.nch.go.jp/imal/Publication/0003taishuigakusensho.pdf

「Der 1(Der f 1+Der p 1)量で2 μg/g dustが感作の閾値、10 μg/g dustが喘息発作誘発の閾値である」という基準は、別の学者さんも提唱しているようです。 (Platts-Milles TAE, Chapman MD. Dust mites: immunology, allergic disease, and environmental control. J Allergy Clin Immunol 1987; 80: 755-75.)

興味深いのは、採取したホコリの絶対量には関係なく、ホコリ1g中にどれだけ抗原が含まれているかで判断しているところ。掃除機で吸ってホコリがどれだけ出てくるかは、布団の材質とかで大きく変わるけれど、人間にアレルギーを起こす空中を舞うホコリの量はだいたい一定だ、ということでしょうかね。

で、この結果を見る限り、我が家は平均的な家庭よりは少ないけれど、じゅうぶんアレルギー反応を起こすぐらいの量は出ていた、ということですね。

まだ寒かった3月のアタマに採取してこのぐらい出てきたので、ダニが活発に活動を始める気温になってきたらどんなことになるんだろう、と考えたらむずむず体中がかゆくなってきたので、まめに掃除機をかけて、ダニの繁殖をコントロールします。

アレルギーのしくみと、対策としての掃除についてのダイソンのまとめページがわかりやすいので、ぜひご参照くださいませ。

http://content.dyson.co.jp/vacuums/allergy/default.asp

 

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