The means justifies the ends
仕事で博多に行きました。訪問先は呉服町というところにある大きなオフィスビル。以前は百貨店が建っていた場所です。
このビルの脇の通りには、「みやけ」という古いうどん屋さんがあります。少なくとも20年前はありました。
前日からの雪と強風で飛行機がなかなか着陸できず、到着が1時間近く遅れてしまい、約束の時間にすこし食い込みそうだったのですが、せっかくのチャンスなので、空港からうどん屋さんへ直行してみました。
地下鉄の駅から地上に出ると、あたりは新しい立派な建物ばかり。街の景色は20年前とはまるで変わっていて、自分がどっちに向かって立っているのかも分かりません。ようやく勘を取り戻して目当ての場所に行ってみると、はたして、そこだけ時間が止まっていたかのように、うどん屋さんが昔のままの姿で建っていました。
おそるおそる引き戸を開けると、店の中も昭和のままです。カウンターの中の大釜にお湯が沸いていて、釜のふちには「すめ(かけうどんのかけ汁のこと)」を湯煎してある一升とっくりみたいなタンポと、うどんを茹でるざるがかかっています。
うどん一杯270円、ごぼう天や丸天など、うどんに乗せる種がそれぞれ80円。まよわず「ごぼ天ください」。
茹でてあるうどんを小ぶりの丼に入れ、とっくりの中のすめをかけて、種を乗せたら、もうできあがり。テーブルの上のすり鉢に山盛りになっている青いねぎを散らしていただきます。これこれ。これが食いたかったのよ。
博多に行ったら、作り物じゃない本物のレトロなお店で、ダシの効いたちょっとしょっぱい澄んだかけ汁に入った、やわらかくて太いうどんを、ぜひご賞味あれ。
catpawさんのコメント:
中洲玉屋から、よく歩いてここまで食べに行ったんです。ひぐちさん、玉屋の裏にあるお肉屋さん「ちんや」のハヤシライスってご存知ですか?