The means justifies the ends
こんなニュースが流れてきました。
共同通信からの配信のようなんですが、山形市の職員のオトコが業務用パソコンで、3か月に1万回以上アダルトサイトを見ていて、ウイルスに感染させてしまったカドで停職2か月の懲戒処分なんだそうです。
市の調査によると、男性主幹は8月24日までの3カ月間、ほぼ毎日アダルトサイトなどを閲覧、アクセスは約1万100回に達していた。
「アダルトサイト1万回見てたって、仕事してねぇだろ、ふざけた話だ」と瞬間的には思うわけですが、ちょっと待て。
実働8時間×22日×3か月として528時間。勤務時間中休み無しでアダルトサイトだけを開き続けたとしても、1時間に19回ぐらいですよ。3分に1回、毎時間、毎日休みなくアダルトサイトを見続けないと1万回なんて達成できないはず。なので、この報道は鵜呑みにできませんねぇ。「市の調査」か、この報道の、どこかがおかしい。
市の発表を見てみました。
調査によると、業務に関係のないサイトの閲覧はほぼ毎日行われており、平
成24年8月24日のウイルス感染直近3ヶ月で、アダルトサイトを含む業務
に関係のないサイトの閲覧は約10,100アクセス行われていた。
確かに10,100アクセスって書いてある。「アクセス」って何だろう。それからついでに「アダルトサイトを含む」だ。ずいぶんトーンが違いますねぇ。
さて、ここから推測。
市がやった「調査」で言う 10,100回という妙に生々しい「アクセス」の数字ですが、閲覧ログか何かが残っていて、それをきっちり数えたということなんでしょうね。自己申告とかじゃなく。たぶん、ファイアウォールかプロキシかセキュリティゲートウェイかなにかのログを取ったんでしょう。
Webページ1枚を開いただけでも、ブラウザはサーバーからたくさんのファイルを取ってきて、それを組み合わせて表示しているものでして、ログにはそのたくさんのファイルを取ってくる通信の記録がひとつひとつ残っているものなのです。これはきっちり数えられる。
例えば、動画ということで DMM の動画のトップページを開いて、ファイルをいくつリクエストしているか調べてみたら、この通り。1ページで126回の「アクセス」のリクエストを出していました。
1ページで126回の「アクセス」ならば、80ページも見れば、10,100回の「アクセス」が達成できます。
市の発表にあるとおり3か月ほぼ毎日なら、1日1ページか2ページ業務と関係ないページを見ただけで楽々達成。これなら、納得できる数字です。
まあ、業務時間中に仕事と関係ないサイトを見ることは感心しないですし、懲戒処分にするしないは所属組織の判断だからとやかく言いませんが、1日数ページのWebサイト閲覧をこういう巨悪かのような表現で発表しているとしたら、ちょっといやな印象操作だなあ、と思った次第。
ほんとのところは、どうなんでしょう?(という突っ込みを入れるのが報道機関の役割だと思うんだけどなあ)