今朝、新聞を読んでいたら「海保メールでウイルス送信」という記事が目に入りました(朝日新聞東京14版 34面)。海上保安庁の「ホームページ」に公開されている質問受け付け用などのメールアドレスからウイルス付きメールが送信されているというものです。MyDoomというウイルスのしわざだとのこと。
MyDoom(別名 Novarg)は、ここ数日猛威を振るっているコンピュータウイルス(より詳しく言うと、ワーム)で、同種の最近のウイルス同様、感染したPCの中にあるアドレス帳やインターネットの閲覧履歴の中にある電子メールアドレスを読み出して、そのアドレス宛てにウイルスの入ったメールを大量にばらまきます。そのとき、メールの差出人の欄(FROMフィールド、といいます)にもアドレス帳などから拾い出したアドレスを使うので、送られて来たウイルス入りメールは感染した人とは関係のない第三者から送られて来たように見えます。ウイルス入りメールが送られてきたからと言って差出人の欄に書いてあるアドレスの人を責めてはいけません。
で、ちょっと気になるのが、この朝日の記事です。「海上保安庁だけが『被害』にあっているので、海上保安庁からのメールに気をつけろ」と読めるのです。たぶん、
海上保安庁の発表文を受けてニュースにしたのだと思いますが、海上保安庁は、自分のところのアドレスを騙ったメールに気をつけてね、とたまたまリリースしただけのことで、このウイルス(ワームね)の仕組み上、海上保安庁だけじゃなくて世の中のWebサイトに書いてあるありとあらゆるメールアドレスを騙ったウイルス付きメールが、今まさにものすごい勢いで飛び交っているわけです。“天下の公器”がニュースにするからにはリリース丸写しの「海上保安庁からのメールに気をつけろ」じゃなくて、「ありとあらゆるメールアドレスを騙ったウイルスメールが蔓延しているから、不審なメールに気をつけろ」と事件の本質を報道して欲しいなと思ったのでした。
- メールについている添付ファイルを開くときはウイルスファイルではないか疑ってみる
- 感染したと思ったら、ネットワークからパソコンを外し、他のパソコンが使えるならそこからウイルス対策の応急処置が載っているページなどを見て処置する
- ウイルス避けソフトをインストールして感染を予防する。ウイルス避けはいつも最新の状態にアップデートしておく
などなど、ウイルスには気をつけましょうね。
樋口 理さんのコメント:
というわけで、みなさん、「asahi.comメールでウイルス送信」にも気をつけましょうね。