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The means justifies the ends

ズレトル [WIRED の「日本のAA紹介」が実に残念な件]

ひろゆき像のAA
雑誌《WIRED》の創刊15周年記念だった先月号に載っている Lisa Katayama の西村博之(ひろゆき)についての記事“Meet Hiroyuki Nishimura, the Bad Boy of the Japanese Internet”(WIRED VISION による記事の日本語解説はこちら)が面白い。
ひろゆき氏と2ちゃんねるが日本の文化と社会の中でどのように受け止められているか(あるいは受け止められていないか)を海外からの視点で解説していて、ひろゆきについて Joi がコメントするとか、日本のメディアではちょっと思いつかない切り口が逆に新鮮。そんなにむずかしい英語じゃないので、お手元に WIRED 誌がない人もオンラインで読んでみてください。

それはさておき、この記事の中で2ちゃんねる特有の Jargon とか風習も紹介しているのだけれど、その一つとして2ちゃんの AA (Administrative Assistant でも American Airlines でもなく、ASCII Art ね)についてかなり細かく解説しています。で、オンライン版では AA のスクリーンショットを実際にいろいろと紹介する画像ギャラリー記事も用意してあるんだけど、これが実に残念なのです。 ご存じの通り、従来の古典的な ASCII Art は、固定幅フォント(それも、その名の通り、1バイトコードのASCII 文字だけ)で作って、どんな端末でも、あるいはどんなプリンタでも同様に再現されるようになっているものなんだけど、2ちゃんねるの AA はプロポーショナルなフォントを積極的に使って微妙な濃淡や曲線を表現しているのが特徴。2ちゃんねるを Internet Explorer で表示したときにデフォルトで使われる《MS Pゴシック》フォントで見ることを前提にしているために、他のフォントに設定しているブラウザで見ると、文字幅が微妙に違うため、制作者が意図したのと違う形にずれてしまいます。Windows の IE 以外の環境で、元と同じに見えるよう文字幅を調整した専用フォント(例:IPAモナーフォント)がわざわざあるのは、このため。

で、この AA 画像ギャラリー記事なんですが、日本語フォントが表示できない環境が多いであろう英語圏の読者のために、日本語環境で表示した AA のスクリーンショットを撮って画像として貼り付けて紹介してある。それは正しい配慮なんだけど、スクリーンショットを撮った環境が、たぶん Mac。なので、絵が激しくズレトル。
この画像ギャラリーを見たガイジンさんたちは「なんだ。たいしたことナイ。これなら俺様の作品の方がカコイイ」と思ったに違いない。実際、そう思って文句を言った読者向けにASCII Art Contest(日本語解説はこちら)までやってる。

これは、ガイジンさんの誤解を解いてあげなければなりますまい。というわけで、画像ギャラリーにあったズレトル AA と、それを適正なフォントでレンダリングした正しいバージョンを side by side に並べてみました。

さて、これをどうやってガイジンさんたちに知らせるか。WIRED の元記事に、英語でコメントを書いてあげるのがいいのかな。
と思ったけど、この記事を上げて放置しておけば、誰かが Lisa Katayama に知らせてくれるに違いないから、それでもいいのか。というわけで、あとはまかせた>いちるさんw

[2008/6/13 追記] その後、Wired の Lisa Katayama さんと連絡がつき、元記事に掲載されていたズレトル AA の大部分を、下に掲載した適切なフォントを使った画像に差し替えてもらいました。

ERRATA

(For double-byte-disabledchallenged readers) The ASCII Art screenshots on the article "Art and ASCII: The Stories Behind All Those Brackets, Slashes, and Carets" are somewhat distorted because they were not rendered using the proper font (Yes, propotion and font metrics DO matter when viewing AA in 2 channel). See the difference below.
[EDIT on June 13, 2008] Lisa Katayama, who wrote the original article for Wired, read this post and replaced the distorted screen shots with the correct ones below. Thanks go out to Lisa and Wired.

キッコーマン(ズレ) キッコーマン(正)
キッコーマン

ラウジンガー(ズレ) ラウジンガー(正)
ラウジンガー乙

電車男(ズレ) 電車男(正)
電車男

Ronald(ズレ) ドナルド(正)
ドナルド・マクドナルド(本名は Donald じゃなくて Ronald ね)

ミク(ズレ) ミク(正)
初音ミク

ハム太郎(ズレ) ハム太郎(正)
ハム太郎

ゴキブリ(ズレ) ゴキブリ(正)
ゴキブリ

ふう。

コメント

Andyさんのコメント:

WIRED見て「何か違うなあ」と想っていたのですがそういうことだったのですね。変換お疲れ様です。
2008/6/11 10:29
Host: bpproxyi.nikkeibp.co.jp - 202.26.186.80

ひろしさんのコメント:

フォント毎のプロポーション設定が当たり前なやつら(外人)とはピッチの感覚が違うのね.... カーニングで悩んだ痛々しい思い出が.... 最近の標準は「MSPゴシック」ですかね。国内でもプロポーショナルが当たり前になってからは、ズレトルことが多いですよね。 そう考えるとAAはもともとは固定ピッチの日本のムカシのが本来の活躍の場で、外国やMacな世界では無理があるのかもしれませんね。

樋口 理さんのコメント:

と、書いていたら、ほんとにいちるさん経由で Lisa Katayama さんに伝わって、元記事の画像を修正してくれることになりそうです。言ってみるものですね。
さらに、おまけもあるんだけど、それはまた後日。
2008/6/12 09:59

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