The means justifies the ends
ごく限られた好事家のみなさまに向けて。
私が愛用している CD プレーヤー、イギリス Aura 社の CD50 というやつなんですが、ずいぶん前に CD を出し入れするトレイが開かなくなって、手で開け閉めしないといけなくなってしまいました。
この症状、このプレーヤーに使われているフィリップスの CDM9 というトランスポート(CDドライブ)の“持病”みたいなものだそうで、トレイを出し入れする樹脂製のギアが湿気を吸って劣化して、崩れてしまうというのが原因だそうです。
部品のギアは製造元のフィリップスでは製造が終わっていて修理できないと言われるそうなのですが、幸いなことにサードパーティが作った湿気にも強い樹脂を使った同等品のギアを売っている人がいて、自分で交換修理することができます。
私も Yahoo! オークションでギアを買ってきて修理してみたところ、元通りに動くようになりました。そこで、その交換方法を図解説明。
まず、部品を買ってきます。Yahoo!オークションで検索するといくつも見つかります。だいたい3,000円ぐらい。
部品が手に入ったら、さっそく修理です。
■トランスポートをシャーシから取り外す
・外部筐体の底面4本と背面1本のネジを外して、上カバーを外します。
・トレイを少し引き出して、フロントベゼルを外します。ベゼルを上の方にスライドさせるだけで簡単に抜けます。
・トランスポートにつながっているフラットケーブルとコネクタも抜いておきます。
・トランスポートは、シャーシ底面のネジ2つと樹脂製のスナップリベットで固定されています。ネジを外し、スナップリベットを抜きます。スナップリベットはひねったりねじったりすると折れるおそれがありますので、左右均等に力をかけながらまっすぐ引き抜きましょう。
■トランスポートからギアを外して交換する
・外したトランスポートをひっくり返すとギアがついているプレートが見えます。プレートはT-10のトルクスねじで止まっているので、ねじを外してプレートごとギアを外します。
・シャフトをねじらないように気をつけながら、ギアをシャフトからまっすぐ引き抜きます。ギアはもろくなっているので割れるかもしれませんが、気にしない。
プレートを外したところ。ギアの山がぼろぼろにくずれています。
・シャフトに新しいギアを差し込みます。
・ギアのついたプレートを元通りにトルクスねじで固定して、ベルトをかけます。
■元に戻す
・トランスポートを元通りにシャーシに取り付け、ケーブル類を差し、フロントベゼルを差し込み、ケースの上カバーを戻してネジをしめたらできあがり。
おためしあれ。
そうそう。CD50の兄弟にあたるFMチューナーのTU50にも有名な持病があります。こっちは選局メモリーがすぐに消えてしまって、スイッチを入れるたびにマニュアルで周波数を合わせないといけなくなるという病気。
この病気の原因は、メモリーを保持するためのNEC製スーパーキャパシタが古くなって容量抜けを起こしてしまい、記憶喪失しちゃうというもの。
アキバあたりで同じ容量のスーパーキャパシタ(ラジオセンターあたりで200円ぐらい)を買ってきて交換すればOK。
lespaulさんのコメント:
私のCD50も同じ状態で8年ぐらい経ちました
何度か処分しようとしたのですが
デザインが気に入っているし場所を取らないこともあり、手動で開閉していたところ偶然このページを発見いたしました。
本当に便利な世の中になったものです
早速部品を入手しておかげさまで完動しました。
お世話になりました。