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Orkutのサービスが始まった頃、この名前の読み方が分からない人も多くて、「オークト」などいろんな読み方が乱立していました。
唐突に、ロータスノーツを日本市場に持ってきた頃のことを思い出しました。ノーツのことをノートと読む人が非常に多かったのです。
そのころの外資系ソフト会社の例に漏れず、当時ロータス社が用意した営業用の資料などは、日本語の文章の中に商品名だけがアルファベットで書いてありました。「Lotus NotesはホワイトカラーのCommunicate/Collaborate/Coordinateを支援し、企業の生産性を向上させるツールです」と言った感じの珍妙な文章です。
なにしろSeven Starsが“セブンスター”になるお国柄ですから、Notesと書いてあればたいていの人は“ノート”と読んでしまいます。一度“ノート”だと思い込んだ人のアタマの中は、その先ずっと“ノート”です。1時間以上も“ノーツ”と連呼する講演の後でも講師に対して「で、このロータスノートというのは…」などと質問して来ます。
業を煮やした私は、すべての営業資料、カタログ、広告、広報資料などの文章中の商品名表記をカタカナに変えるよう指示しました。カタカナなら読み方はひととおりしかありませんし、読み間違いもありません(同じ表音文字とはいえ、英語などの場合は綴りから読み方が一意に決まるわけではないので、人によって読み方が違うことがあります。ついこないだまでnuclearをニュークラーと発音していた大統領がいましたね)。商品名の読み方をラジオやテレビなどの音声メディアで連呼するという手もあるわけですが、そんな予算はなかったので、カタカナの力に頼ったわけです。社内には「アルファベットじゃないとかっこ悪い」などという根強い抵抗もありましたが、カタカナ表記化が功を奏して世間では“ノート”と呼ぶ人はいなくなりました。時代は流れて、今ではノーツというカタカナ表記を引き続き使っているのは、当時の競合相手だったマイクロソフトの資料だけで、発売元のIBMは珍妙な横文字交じりの日本語に戻ってしまっているようです。縁は異なものです。
カローラだって、カタログや広告や新聞雑誌の記事でカタカナを使わず全部 Corolla って表記していたら、コローラとかコロッラと呼ぶ人が絶えなかったかもしれません(ま、カローラの場合、音声メディアでものすごい露出をしているのでそんなこともないでしょうが)。
というわけで、いまだに横文字がかっこいいと勘違いしている思考停止状態のマーケッターさんたち、悔い改めなさい。
おおはしさんのコメント: