The means justifies the ends
先日 Gizmodo に掲載されていた『なぜAndroidスマホを「Android 4.0」へアップデートするのは難しくて時間がかかるのか? メーカーが抱える深刻な現状も判明...』という記事。
モトローラの偉い人による
グーグルからソフトウェアがリリースされた後、それが各モデルでどのように動作するかは、実際のところ、本当に動かしてみるまで全く分からないのです。チップセットも無線通信方式も、それぞれのモデルのハードウェアには共通項なんて存在しません。
という発言を引用して、メーカー側が Android のアップデートに付いていくのが大変で、Android の魅力であるハードウェアの選択肢の広さがスムーズなアップデートを阻んでいると説明しています。
これを読んで「Windowsはいろんなハードウェアが Plug & Play で動くし、新しいバージョンに上げるのもなんとなくできちゃうのに、なんでグーグル先生はマイクロソフトにもできることができないんだろう」なんて思う人もいるかもしれない。
理由は簡単。できないんじゃなくて、やらないのね。儲ける場所が違うから。あちこちで語られていて、みんな知っていることだと思うけど、蛇足ながら説明しますね。知ってる人はこの先読まなくていいよ。
マイクロソフトはOSを広めるために経済外部性をなにより大事にしてます。エコシステムってやつですね。Windowsに関わるハードウェアやサードパーティソフトウェアが儲かるようにしてあげることで、ISV (Independent Software Vendor) やIHV (Independent Hardware Vendor) と呼ばれるこれら「周りの人たち」がWindowsを担いでくれて、OSも買ってもらえるし、エコシステム上の自社オフィス製品でも儲かる。
IHV/ISV製のハードウェア/ソフトウェアの互換性や後方互換性がなくなると、IHV/ISVも担いでくれなくなるし、新しいバージョンのOSも買ってもらえなくなるから、エコシステムの維持のために、必死になってIHV/ISV製品との互換性を保つ努力をし、お金と労力を注ぎ込みます。
スティーブ・バルマーの有名な "Developers! Developers! Developers!" の雄叫びは、ポーズとかじゃなくて心から本気の叫びだと思う。たぶん。
一方、Gizmodo の本文中にも出てくるアップルの iPhone は、自社製ハードウェアの利益で儲けるのが目的だから、本体ハードウェアを他社に作らせたりしない。ハードウェアの多様性による悩みはなし。後方互換性も維持しやすいし、ユーザーが愛想尽かさない程度に、頃合いを見計らって古いハードウェアのサポートをやめちゃえば、また新しいハードが売れて儲かる。
さて、グーグルはどうかというと、自社のネット上のサービスをどんどん使ってもらって、ユーザーに関するデータを集めることで儲けているので、電話機やタブレットは、その時点で最新の Android OS とその上で動くクラウド利用クライアントソフトをひたすらばらまくための「乗り物」でしかありません。マイクロソフトと違って、経済外部性だのエコシステムだのには興味はないので、ハードウェアメーカーや IHV/ISV に対しては「タダで提供してやるから、儲けたければ勝手に乗っかってついてくれば?」というぐらいのおつきあいで十分なのです。
そんなわけで、グーグル先生にしてみれば、古いハードウェアのOSアップデートのために自分で汗をかく義理なんかないんだから、よい子のみんなも期待しちゃいけないよ、というお話でした。
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