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ロータスというソフトウェア会社に勤めていた頃、よく「ああ。ロータス使ってますよ」と言われることがよくありました。
ロータスっていうのは会社名で、ロータスという名前のソフトウェア製品はなかったんですけど、当時「ロータス使ってる」と言われた場合、十中八九は 1-2-3 という名前の表計算ソフトを使っているという意味でした。
今は IBM の一部になったロータスの、年に一度のプライベートショーであるロータスフィア (Lotusphere) が、昨日あたりから例年通りフロリダのオーランド (Orlando -- 最後の o を忘れずに) にあるディズニーワールドあたりで開かれているせいで、ロータス製品に関するニュースがまとまって流れているんですけど、それを見ていると、最近は「ロータス使ってる」というと、ロータスノーツ (Lotus Notes) を使っているという意味で使われているようです(例:TechCrunch の『
Lotus Notes、間もなくLinkedIn上の情報を提供開始』という記事中に「Lotusを使っていない人は、昨年OutlookのプラグインにLinkedInを取り込んだXobniで……」という記述)。
Windows や MS Office を使うことを「マイクロソフトを使う」と言ったり、アリエールや SK-Ⅱを使うことを「P&Gを使う」と言ったりしないように、提供価値が異なる複数の製品を上手に提供する会社は、製品別の提供価値を象徴するプロダクトブランドと、製品群を提供する価値提供者としてのコーポレートブランドをきっちり分離するように気をつけてコミュニケーションしてブランドを立てていくものなんだけど、ロータスの場合は IBM に買われる以前から “Single-product Company” と揶揄されていた(そして、自覚していた)だけのことはあって、いまだにブランドの扱いはけっこう粗雑なのが OB としてちょっと残念。ま、IBM の中の一事業部のブランドがどう扱われようと、世間にはぜーんぜん関係ないことだからどうでもいいのだけど。
でも、私の数少ない経験上、モノやサービスを提供する会社で、ブランドの提供価値や、それを正しく定義して伝えるマーケティングコミュニケーションとかについて経営層の人たちが無頓着な会社って、軒並み経営状況が悪くなっているようなので、鰯の頭も信心から、ブランドのコミュニケーションは大事にしたほうがいいと思いますよ。誰とはなく。
やぎぬまさんのコメント: