The means justifies the ends
ダイソンさんが企業広報(広告じゃないよ)活動の一環として、アレルギーの元になるハウスダストの正体を研究して、家の中のハウスダストをできるだけ減らしてアレルギーを軽減する方法をマジメに科学して考えるイベントを開催するという話を伺いまして、中の人にお願いしてそのイベントにブロガーも参加できるようにしていただきました。
ざっくり、こんな内容です。
盛りだくさんの内容の中から、まず、ハウスダストの正体とその減らし方について、まとめてみます。
レクチャーをしてくださったのは、フジサンケイグループのエフシージー総合研究所を拠点に、生活に関わる害虫と微生物、それからそのアレルギー反応について長年研究を続けていらっしゃる川上裕司博士(プロファイル)。
テレビ各局の番組や新聞雑誌などでも、コメンテーターとしてご活躍の、この分野の第一人者の先生です。
(なお、レクチャーの全容は、YouTube にも上がっています。こちら)。
私、もう20年以上になりますが花粉症持ちです。最初に症状が出たときに専門医に行ってアレルゲンのテストをしてもらったところ、スギ花粉、ブタクサの花粉、それからハウスダストの免疫抗体を持っていると言われました。
ハウスダスト = House Dust = 家のホコリ、なので、部屋の隅に溜まっているような細かい砂ぼこりとか綿ぼこりとかがアレルゲンなのかなー、ぐらいにうすらぼんやりと思っていました。
間違ってました。
ヒトのアレルギーを起こすアレルゲンとなるハウスダストは、
なんですと。
ダニの中でも、日本の家屋で多いのはチリダニを中心とする各種。その生きたやつはもちろん、死骸やフンに含まれるタンパク質がわるさするそうで。
昆虫では、チャタテムシ(古い本を開いたときにいたりする、アレ。チャタテムシのタンパク質をアレルゲンとして確認・登録したのは川上先生の研究成果)、穀物なんかに幼虫がよく付くメイガ、乾燥食品とかポプリやドライフラワーに大量発生する小さな甲虫タバコシバンムシ。それから夏の夜なんかに窓に集まってきて朝になるとサッシの枠で死んで溜まっているユスリカとかヌカカなどの小さいハエや蚊、あれが乾いて粉になって部屋の中に舞い込んで来るヤツがやばいらしい。
カビは、クロカビ、アオカビ、コウジカビの類の胞子。もやしもんに出てくるニゲルとかオリゼー。これは、もう、そこらじゅうにいますな。かもすぞー。
昆虫やダニの生体も小さいのだけど、やっかいなのはその死骸の粉とかフンとか、カビの胞子っていう、微小粒子がアレルゲンの本命だ、ということだと思います。
とにかく小さい。数十ミクロン以下。ネコアレルゲンみたいに1ミクロンより小さいのもある。ちなみにPM2.5は2.5ミクロンね。
ダニの調査と言うと「うちは毎日掃除してますから、ダニなんかいません!」と怒り出す人もいるそうですが、こんな小さい粒子なんでね、まずまちがいなくどこのご家庭でも検査すれば出るんだそうです。アレルゲンが。
今年の初め頃に某局で川上先生がアグネスチャンのお屋敷のダニをチェックするという突撃企画をやってました。そりゃあ、もう、キレイに掃除の行き届いた白亜の御殿なんですけどね。いたわけですよ。ふつうに。
ダニが棲むのに最適な環境は布製のソファとかぬいぐるみとか床のホコリの中とか、あちこちにあるのだけれど、いちばん居心地がいいのはなんといっても布団。特に敷き布団。ベッドのマットなんか敷きっぱなしの万年床だからサイコー。ダニの餌になる人間の皮脂とか髪の毛もたっぷりあるし、適度に暖かくて、毎晩湿気も供給される。
だから、ダニのアレルゲンを減らすには、こいつらをマメにやっつけて減らしていくしかないんです。
そして、ダニを減らすには、掃除機で吸って取るしかないみたいです。ダニはシーツの布の目をくぐり抜けて、マットレスや敷き布団の浅いところや、マットレスとシーツの間に集中的にいるそうなので、そいつを吸って取る。
湿気がある状態では取りにくいので、シーツや布団カバーが掛かったままの状態でいいからよく乾して、あるいは布団乾燥機をかけたあとに、掃除機をかける。
布団を叩いちゃダメだそうです。そんなことをしても生きているダニは中に逃げ込むだけだし、死骸などのアレルゲンを叩き出してそこら中にまき散らすだけなので逆効果。
太陽光とか紫外線ランプも無力。常識で考えれば、人間が平気な程度の紫外線でダニが死ぬわけがない。
黙って一気に吸って取る。
むずむずむず。もう、部屋の掃除をしたくてしょうがない。かゆい。
そんなわけで、アレルゲンをしっかり除去できるかどうかをテストするときは、アレルゲンと同じぐらいの粒子サイズのベビーパウダー(だいたい10ミクロンぐらい)とかを、シーツと布団の間に撒いて、それをどれだけ効率よく吸い取れるかを調べるとよいとのこと。
で、このような実験にあいなりました。
この実験をうけて、アレルゲンを効率よく吸って処理するための掃除機に必要な要素は
だという結論につながるのですが、それはまたあらためて。