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The means justifies the ends

ブレードランナー(前作)の字幕で気に入らないところ

 

ブレードランナー2049が劇場公開されました。私は好きです。

これからご覧になる方は、ぜひ予習のために前作を一度おさらいして、3本の予告ショートムービーを見てから劇場に行くことをおすすめします。

ところで、ブレードランナー(前作)の字幕で本当に残念だと思うところは、ロイ・バッティの最期のモノローグのほんとうに最後のキメセリフ。

 

原文は "All those moments will be lost in time, like tears in rain. Time to die." で、字幕は「そういう思い出もやがて消える。時がくれば涙のように雨のように。その時がきた。」となってる。

 

なにが気にくわないかというと、原文では moments と tears、time と rain が対応づけられていて「ちっぽけな個人(個レプリカントか)の数々のものすごい体験 (moments) も、大きな時 (time) の流れの中ではまるで雨 (rain) の中の涙 (tears) のように消え去ってしまう」という儚さを語っている。そしてシーンは雨が降る中にへたり込んで鳩をつかんだロイが涙を流しているという、まさに tears in rain。なのに、この字幕じゃこの moments in time と tears in rain の儚さのニュアンスがきれいさっぱりなくなってるんだな。

というわけで、このシーンだけは、字幕を見ないで、雨の中でひそかに涙を流すロイ・バッティの英語のセリフをしみじみかみしめながら見ることをお勧めします。

ところで、ブレードランナー2049でも、まだ雨は降っていました。

 

ハリソン・フォード ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント 2017-09-20

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