The means justifies the ends
私、スーツケースは Travelpro を愛用しております。
こんなやつ。
よくアメリカに出張していたころ、United や Northwest のクルーがみんな揃って使っていて、機内誌にも広告が出ていました。Northwest のパイロットだった人が、機内持ち込み用カバンの使いやすいものが無かったので自分で起業して作ってしまった会社だそうです。機内持ち込みサイズで、荷物がすっきりたっぷり収納できて、軽くて運びやすくて頑丈というのがウリ。
ハニカム構造のがっしりしたフレームにバリスティックナイロンの外装。ハンドルも屈強で、そこらのちゃちなキャリーバッグとは全然作りが違う、頼れるやつ。
ところが、この愛用の Travelpro、車輪のゴムがなにかのはずみで擦れて片減り、転がすとゴトゴトと異音が出るようになってしまったのです。さあ、修理だ。
問題の車輪を見ると、こんな風にすり減っています。
荷物を入れた状態でコンクリートの上を無理矢理横に引きずったのかもしれません。
Travelpro のバッグは、永久保証モデルだとリペアセンターで無償修理してくれるし、近所にリペアセンターがなくても(日本にはありません)部品を送ってくれるようなことが書いてあるのですが、アメリカの Toll Free Number(フリーダイヤル)に電話で問い合わせろとのこと。親切のつもりなんだろうけど、アメリカの Toll Free Number って国外からはつながらないのですよ。これ、アメリカの会社のサポート窓口によくある落とし穴。
ちょっとググってみたら、Travelpro とか Rimowa の車輪をローラーブレードのホイールに取り替えると快適になる、みたいな話があちこちに書いてありました。サイズが合うホイールを高い値段で転売している業者もちらほら。
いつもの AliExpress を物色して、パーツを揃えました。
直径 76mm の Rollerblade Wheels と、標準規格らしい 608RS のボールベアリング。
普通のインラインスケートのホイールの軸は直径8ミリらしいのですが、このカバンの軸は6ミリなので、6ミリの軸に8ミリのベアリングを合わせるためのスペーサーもいっしょに。子供用とかで6ミリ軸のスケートがあるので、こういう部品も普通に売っているらしいです。
ホイールとベアリングとスペーサーを組み立てると、6ミリ軸に合う車輪ができあがります。
さて、本体をバラします。
まず、今の車輪がついているハウジングを固定しているネジを外します。
ハウジングを抜き出します。
車輪の軸を抜き取ります。
車輪が取れました。こんなプラスティックの軸受けだったのね。
ハウジングに新しいホイールを取り付けます。インラインスケートっぽい柄がプリントしている面が内側に隠れるようにしましたけど、お好きな方は外に向けて目立たせてもいいと思います。転がすとピカピカ光るホイールもありますよ。
ハウジングを元の場所に差し込んで、ネジ止め。ゆるみ止めのロックタイトが塗ってあったようなので、まねしてみた。
できあがり。
いい感じに仕上がりました。ゴトゴト言っていたのが治ったのは当然として、引っ張ってみたときのスムーズさがまるで違う!さすがスケート。ボールベアリングのおかげで、転がすときの抵抗がほとんどなくなって、恐ろしいぐらい軽くなっちゃいました。
暴走しそうなスーツケース、お試しあれ。
【追記】
自分で試される方は、まず今ついている車輪の外径と同じぐらいのホイール(ニホンのインラインスケート界ではウィールと表記するならわしみたいです)を探してください。
そして、ホイールのベアリングの穴の内径が今ついている軸と同じかどうか確認。一般に、インラインスケートのベアリングは8ミリ径が多いです。一方、TravelproとかRimowaの車軸は6ミリが多いので、その場合にはこの記事のようにスペーサーを入れることになります。
ご参考までに、私が AliExpress で買ったのは次の3点。
パーツがたくさん余るので、同好の士と共同購入するとさらにお得。ただし、中国から送られてくるのに1ヶ月ぐらいかかるので、お急ぎの方はちょっと割高ですが Amazon なんかでソレ用に売られているものを物色するとよいと思います。
こうださんのコメント: