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携帯電話を替えました。発表時から気になっていた
ビジネス FOMA M1000です。
出先でちょっとブラウザを使いたいとか、会社や個人の電子メールを読み書きしたいというニーズが多いので、ちゃんとしたブラウザがついていてIMAPのメールが読み書きできる持ち歩き可能な端末はたいへん魅力的です。higuchi.comのメールはかれこれ8年IMAPでサーバーで管理、最近は会社のメールもIMAP化したので、モバイルでのメールの処理はばっちりです。
それに、メールやブラウザは無線LANでもつながりますから、自宅や街中のホットスポットなどでは、パケット代を気にせずに使えるというのもナイスです。
Symbian OSでひととおりのPIM機能などもついていますから、会社のスケジューラやアドレス帳とSyncしてしまえば、US Robotics時代から長年使ったPalmも、もう持ち歩かなくてよさそうです。
発売直後の昼休みに職場のはす向かいにある丸の内のDoCoMoショップに行ったら、売り切れで入荷未定の貼り紙が出ていました。そこで一旦めげたのですが、帰りがけに通勤路にあるビックカメラの前を通ったら、店頭の「M1000 緊急入荷」の貼り紙に惹かれて即お買い上げ(POP広告の威力!)。
で、かれこれ2ヶ月使っているのですが、なかなか手になじみません。
手になじまない理由はいろいろあるのですが、
- IMAPの受信がうまくいかないケースがある
- IMAPでサーバー側のフォルダが使えない
- PCとの同期がタコ
- 文字入力のUIがぎこちない
- 電話として使いにくい
といったところが特に痛い。
1のIMAPの受信ですが、higuchi.comのメールサーバー(UW-IMAPという、IMAPのサーバーとしてはリファレンス的なもの)に自宅の無線LAN経由でつないだときにIMAPのネゴシエーション(最初にサーバーに接続するときのやりとり)に失敗してしまいます。自宅の無線LAN経由でもブラウザなど、他の通信はまったく問題なく使えますし、逆にIMAPの接続はMopera Uでパケット接続しているときや、他の無線LANアクセスポイントでは問題なくつながります。ネットワークの下のほうのレイヤーの振る舞いによってIMAPの接続がうまくいかないことがあるのは、作りがあやしい。
2は、論外。IMAPはサーバー側にフォルダを作ることができて、メールをフォルダに整理しておくことで、どこからアクセスしても同じフォルダが使えるというのが大きな魅力の一つです。それが使えないとIMAPの魅力激減です。このメーラー、IMAP対応と言っていますが、メールをフェッチする部分だけIMAP
にも対応したPOP3メーラー、というレベルです(PC用の古いメールソフトにもその程度のものがありますね。どれとは言わないけれど)。
3のPCとの同期ですが、携帯とPCをUSBケーブルをつないで(あるいは携帯側のBluetoothをONにして)、携帯側の同期ソフトを起動して「接続」ボタンをクリックして、それからPC側の同期ソフトを起動して……という操作が、Palmの「クレードルに入れて、クレードルのボタンを押すだけ」というシームレスな操作に比べてまどろっこしいこと、それから同期のアルゴリズムの問題か、同期動作が非常に時間がかかることがつらい。Windows CEを使ってみたときにも同じようなまどろっこしさを感じましたが、それに似た(もっと強い)フラストレーション。Symbianってこんなもん?とも思いましたが、仕事で使っているノキア製のスマートフォン(ボーダフォンの702NK)に比べると圧倒的にタコでトロいので、ここは改良の余地ありあり。Palmの "I sync, therefore I am." というコピーが改めて身にしみます。
余談ですが、702NKをPCと同期するときに使うPC側のソフトであるNokia PC Suiteは、かなり出来がいいです。UIが非常にシームレスですし、例えばスケジュールを同期するときに無駄なレコードの検索がない(Motorolaのほうは、対象となる全部のスケジュールのエントリーを毎回スキャンしている様子)せいか、非常にスピーディです。Palm Desktop(Palm用のPC側のソフト)やiTunes(iPodね)もそうですが、この手の携帯端末の使いやすさは母艦になるパソコン側のソフトの出来に大きく依存しますね。Nokia、えらい。
PDAとして使おうと思ったとき、4の文字入力のUIが悪いのも使う意欲をそぎます。入力は画面上で手書き文字認識かソフトキーボードで行うわけですが、文字認識/ソフトキーボードのウィンドウが入力欄の上にかぶって表示されたりすることがあるのでとにかく邪魔。入力した文字をかな漢字変換したときそれを学習して先読み変換(増井さんの
POBoxもどき)してくれるんですが、覚えていなくていい多文節をまとめて覚えていて勝手に先読みしてくれたり、かなりお節介。
Palmのように入力欄が画面と別に固定されていればぜんぜん違うんでしょうけど。せめてPalmのGraffitiのように素早く入力できる方法があるといいんですが、だれか移植してくれないですかね。Xeroxから特許侵害で訴えられそうだけど(特許と言えば、手書き文字入力で1文字1枠の入力欄を使う手法って、ソニーのPalmTopを作るときに特許を申請してたような記憶があるなあ。どうなったんだろう)。
文字入力のトータルスループットでは、それなりに賢い先読み変換がついた普通の携帯テンキー入力の702NKのほうが圧倒的に早くてストレスが少ないです。
最後の電話としての使い勝手の悪さは、やはり番号ボタンが画面の上のタッチパネルということに起因する部分が多いです。覚悟はしていましたが、並行して使っている702NKと比べてしまってどうもいけません。
まあ、私のケースは一般的ではありませんから、IMAPやPDAとしての機能に対する執着がなく、PCのメールと添付ファイルが見えてブラウザできればいいや、という方なら結構幸せに使えるのかもしれません
Symbian OSで、サードパーティ製アプリが使えることがメリットですから、どこかからまともな日本語対応のIMAPメールソフトが出てくれることを期待しつつ、
ライブドアの都内どこでも無線LAN(衆院選で道路占有許可が下りず、工事が遅れているそうです)がはやく実現する日を夢見て、自分をだましながら使っていってみることにします。
月々300円の
デュアルネットワーク契約で、以前の携帯電話も切り替えて併用できるようにしておいたのは正解でしたです。はい。