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The means justifies the ends

現場の力 [上司は思いつきでものを言う]

集英社新書から出ている、上司は思いつきでものを言うという本を読みました。たいそう売れているようなので、もうお読みになった方も多いと思いますが、まだ読んでいない方へ。
これは、お勧めです。
カバーの見返しのところに印刷してある文章(まえがき、じゃないし、なんて言うんですかね)には、こう書かれています。
この本はサラリーマン社会の閉塞を嘆じるものではありません。「上司は思いつきでものを言う」ということが、なぜ起こってきたのかを、儒教の伝来まで遡り、とてもスリリングに解剖していく本です。日本の男たちが、なぜ戦国時代と幕末維新の時代ものがすきなのか。こんな「なぜ」も見えています。そして、では日本はどうするのか――「現場」の声を聞く能力の復活に向けて、上司のみなさんにも、上司でないみなさんにも、懇切丁寧な今後の道中案内の書であります。
一見、キャッチーなタイトルだけで勝負する安易なビジネス書かと思いきや、まるで違います。圧倒的なスピード感のある文章と、トリックプレー満載のロジックのたたみ掛けで、思いもよらないところに連れて行かれる、まさにスリリングな読み物です。なんたって、作者は橋本治です。桃尻娘な人があの調子で、身の回りにありそうなことを題材に、ぐいぐい読ませます。エンターテインメントです。
困った上司に対応するためのノウハウ本を期待すると、ちょっと違うかもしれません。でも、最近なんだか組織的な停滞感や閉塞感を感じるというアナタ、きっと勇気付けられます。少なくとも「あ、自分だけじゃないんだ」と安心できます。みんなで「声を出してあきれる」をする能力を養いましょう。

ここで売ってます。

コメント

yasuoxさんのコメント:

埴輪の会社がコンビ二をはじめてしまうに至る経緯、腹を抱えつつも笑えないものがありました。
高校時代より橋本治を面白がってよんでいますが、ちょっと前にでた「戦争のある世界」も良いです。

樋口 理さんのコメント:

埴輪会社の喩えは、見事でしたねー。身につまされました。

読んでない方のためにちょっとだけ説明すると、「上司が思いつきでものを言う」が発生するシチュエーションの例として、副葬品としての埴輪の製造販売を本業にしている会社のエピソードが出てくるんです。「副葬品としての埴輪がどうも売れ行きがよくないので、わが社としてもなにか新しい展開をしなければいけない、“よく”考えてみてくれたまえ」と言われたあなたは、“ちょっと”考えてみた結果、建設的な解決策を提案するんですが、それが会議に諮られ、すったもんだの結果、最後に唐突に出た結論は「そうだ、わが社もコンビニをやろう」……という、とてもスリリングなくだりが冒頭近くにあります。お楽しみに。

そういえば、わが社でも唐突に「そうだコンビニをやろう」と同じノ±♪♂Ωδд<font size≒"3">メモ</font><br>ф
2004/6/29 12:17

liさんのコメント:

はじめまして。こちらの書評のタイトルが実に的確だったのでトラックバックさせていただきました。バックグラウンド、ということなのですが、えー「そうだ、わが社もコンビニをやろう」と言いかねない某IT企業シャインです。ちなみに私も大分市出身です。あんまり関係なかったですね。おすすめの水島さんの本、読んでみます。
2004/7/14 06:16
Host: PPPf635.tokyo-ip.dti.ne.jp - 203.181.90.1

樋口 理さんのコメント:

はじめまして。
水島先生の新しいほうの本ですが、「おすすめ」はしていません。とはいえ、おすすめしないというわけでもありません。(前のNHKスペシャルの本は、わりとおすすめです)

この本、私には難しすぎて、中味をよく理解できていないので、おすすめしたり、おすすめしなかったりできるほどの判断ができていないのです。

いずれにしろ、かなり難しい本です。おもしろいかどうかは、みなさんの自己判断でどうぞ。
2004/7/14 13:13

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