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The means justifies the ends

大井沢の冬 その3 [シロモチ]

雪深い黒渕
雪深い黒渕部落
大井沢の中の集落の一つである黒渕部落のみなさんが集まってシロモチをくというので、参加してきました。
シロモチ(ショモヂと聞こえます)というのは、この地方に伝わる食べ物の名前で、水に浸して軟らかくした生の米を粉にして水分を加えて搗いたものです。しとぎと呼ばれるものの一種のようです。
元来は神事用だったのか搗いたシロモチは山の神に捧げてから食べるものらしいのですが、神様用だったら砂糖は入れないけれど人間が食べる分は砂糖を入れるなど、神事はおまけで嗜好品としての意味合いが強くなっているように思えます。
しょもぢ
しょもぢ
昔はこの地域一帯で、集落ごとに集まってシロモチを搗いて、山仕事のときなどに持っていってみんなで食べたりしたそうなのですが、最近はそういうことをする集落も少なくなっているそうで、この周辺でもシロモチをつくることはめったになく、黒渕でも昨年、何年かぶりに復活したのだとのこと。これまた珍しい経験です。 シロモチは次のような手順で作ります。
ひたすら搗く

  • (一晩ぐらい?)水に浸してふやかしておいた米を木の臼と杵で搗く
  • 搗いた米の粉をふるいにかけて、細かい粉だけを取り出す。荒い粉は臼に戻してひたすら搗く。4升(?)搗くのに1時間半ぐらい
  • 米の粉を臼から出して、豆をゆでたものやくるみを臼で搗く。
  • 豆とくるみが砕けたら米の粉を臼に戻し、搗く
  • 白砂糖(今回は2キロ)を入れる
  • 適度な粘りが出るまで、少しずつ水を入れながら搗き続ける。今度は1時間ぐらい
豆とくるみ 豆とくるみ
とまあ、たいへんに手が掛かる食べ物です。今回は“若い”搗き手が3人と監督兼搗き手が1人いましたが、ご老人だけの集落でこの作業をやるのはさぞかし大変だろうと思います。もっとも、我々なんかよりは集落のみなさんのほうがはるかにタフで上手に搗くわけなんですが。

できあがったシロモチを、黒渕のみなさんといっしょにいただきました。
甘味を抑えた落雁をしっとりさせたようなと言うか、ナッツ入り生米ジェラートのようなと言うか、あるいは生の米を粉にして砂糖と一緒に練ったようなと言うか(そのまんまですね)独特の食感と風味がある食べ物です。
そのほかにも、赤こごみをにんにくと唐辛子風味に炒めたもの、舞茸と鱒茸と竹輪の煮物などなど、とても珍しくて美味しいご馳走をいただきました。
スノーモービルや手打ちそばと違って、体験したいと思っても簡単には体験できるものではないのですが、チャンスがあればぜひどうぞ。

コメント

さんのコメント:

地元住民として幾つか補足を。
しろ餅(しょもぢ)は積雪期のみの限定食品ですので、4月から11月の間は食べられません。(最高気温が0℃以下のような季節じゃないとおいしくないんだそうです。)
家族が多かったころには各家庭で搗いたそうで、今でも「しょもぢ搗いたから・・・。」と持ってきてくれる人が居ます。
また、冬の山仕事の合間や悪天候が続いて仕事にならないときに、仕事の仲間が集まって「しょもぢパーテイ」を楽しんだそうです。 それで「しょもぢに酒はつきもの」ということになったようです。
材料の米はウルチ米で、もち米は使いません。二晩から三晩ほど水に漬け、それをざるに上げてさらに一晩水切りをします。
ちなみに、今回の米の量は3升でした。
食べきれなかった分は冷凍保存にしたり、軽く握って焼いたり蒸したりしてもおいしいそうですが、今のところ未経験です。
それにしても、スワヒリ語と大井沢弁との区別がつかない樋口さんにしては地元民の説明をよく理解できたものだと、その想像力のたくましさには感服しました。

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