フィールド・オブ・ドリームズという映画があります。
ケヴィン・コスナー扮するアイオワかどこかの農夫が、ある日「それを作れば、彼は必ず来る」という天の声(?)を聞く。最初は「それ」や「彼」が何のことか分からなかったのだが、「それ」とは野球場で、「彼」とは野球に人生を捧げた男たちの霊(?)だと悟り、自分のトウモロコシ畑をつぶして立派な野球場をこしらえると、本当に「彼」がやってきて野球をするようになり……といった内容の物語です(どこかからの帰りの飛行機の中でうとうとしながら見ただけなので微妙に間違っているかもしれません)。
映画の中では「それ」を作ると「彼」がどこからともなくやってきてめでたしめでたしなのですが、現実世界はそんなふうにはできていません。いや、現実がそうでないからこそ、この映画がファンタジーとして成立するのか。ま、いいや。
ところが、なぜだかわかりませんが、インターネットというものは、人々にそういうファンタジーを期待させてしまう魔力を持っているようです。


素人の方から「商売をしようと思ってインターネットに“ホームページ”を作ったんですが、ぜんぜん人が来ないし、物が売れません」といった主旨のご相談を受けることがあります。Webのビジネスを生業にしている人間からも「これこれこういうサービス(あるいはWebページ)を作れば、それだけで1ヶ月でこのぐらいのPV(ページビュー)が生まれて……」などという“アイデア”を聞かされることがあります。
私はこういうのを「フィールド・オブ・ドリームズ症候群」と呼んでいます。それ(Webページ)を作れば、黙っていても彼(閲覧者や利用者)がどこからともなく湧いてきてそのページに集まってくるという幻想です。言うまでもありませんが、そんなことは起こりません。
ページを見てもらいたければ、そのページが存在することを多くの人、できれば興味を持ってくれそうな人に知らせて、アピールしなければなりません。至極当たり前のことですね。
そんなわけで、Webサイトの運営者は、日々せっせと自分のサイトがGoogleの検索結果の上位に出てくるための工夫をしたり、あちこちのポータルサイトに広告を出したり、メールを介した口コミをしかけたりするのでした。
それを作っただけじゃ、いつまで経っても彼は来てくれません。

投稿者 樋口 理

「If you build it, he will come. [フィールド・オブ・ドリームズ症候群]」に13件のコメントがあります
  1. 私の身近でも「ホームページを作って、インターネットで、日本中に・・・」などという良からぬ相談が進んでいます。
    どうやら「ホームページ」と「インターネット」は山村の過疎化や高齢化問題まで解決してくれるようです。
    はてさて、「彼」が来てくれるかどうか・・・。 ダメでしょうねえ。

  2. 私の身近なところでは、所属する草サッカーチームが単なるチーム内の連絡用に立ち上げたホームページが結構な反響らしく、よく対戦申し込みやチーム加入希望者からメールが来ます。
    『彼ら』は確実に来てます。

  3. > 『彼ら』は確実に来てます。
    と、そのノリで商売のサイトをこしらえて、ひどい目に遭っちゃうわけですわ(笑)。

  4. 世の中に有料エッチサイトが氾濫するのは商売になるからなのでしょうか。。。

  5. > 世の中に有料エッチサイトが氾濫するのは商売になるからなのでしょうか。。。
    そりゃそうでしょうね。ほかの理由は思い当たりません。

  6. 以前、モノをサイトで売っている人に「デザインも凝った、ナビゲーションもばっちり、広告も出した、メルマガも出した、でもぜんぜん売り上げ上がらない。ぜんぜん原因がわからない」と言われたので「それはきっと売ってるモノに問題があるんですよ」と言ったらすごいいやぁな顔をされました。でも間違ったことを言ったとは思ってません、よね?

  7. >でも間違ったことを言ったとは思ってません、よね?
    ・・・そのサイトを見てみたい・・・。

  8. 必要に迫られて購入した物の方が意外と気に入ってしまったりするのはよくある話で・・・
    >>でも間違ったことを言ったとは思ってません、よね?
    >・・・そのサイトを見てみたい・・・。
    同意。デモさらに・・・
    >すごいいやぁな顔
    こちらも見てみたい(w

  9. >・・・そのサイト見てみたい・・・。
    ここで公表してしまったら私は恐らくこの業界で生きていけなくなるので。
    思うのですが、これコマースのサイトに限ったことではないと。デザインをやっている私の師匠が「どんなにきれいな包み紙でも中身の飴がまずかったら二度と食べない」と言ってましたが、これコンテンツサイトにも全く同じことが言えると。作り手はWebの出来不出来をわかりやすいが故に「見た目」で判断しちゃう傾向がありますよね。しかも自分の「好き嫌い」で。
    そこでBlog、実は「見た目」の判断というのができない代物じゃないですか。「コンテンツの品質」と「更新頻度」が全てなわけで。だから樋口さんのこのBlogってやっぱすごいんだなぁと。私は品質の高いコンテンツを定期的に更新する能力に欠けるので、どうしてもBlogを始められません。うかつにはじめてもBlogの恥さらしになるだけですし。

  10. > だから樋口さんのこのBlogってやっぱすごいんだなぁと。
    よせやい。
    タケと言い、ハマショーと言い、そろって歯の浮くようなことを。そろって何をたくらんでる?
    > うかつにはじめてもBlogの恥さらしになるだけですし。
    Blogを特別扱いするのは危険な選民思想です(笑)。竹下的こだわりBlogきぼんぬ。

  11. あ、takeさんのブログ設定のことすっかり忘れてました。。。
    >何をたくらんでる?
    何もたくらんでませんよ。ただ博多の味が恋しいなあとはおもいまつ。なんてね。

  12. >何をたくらんでる?
    いえいえ、樋口さんの公表されている客観的数値データに基づく意見と、心ばかりの敬意でございます(笑)。
    >選民思想です。
    あおらないでくださいよぉ。Blog作るまでなんだかんだ言われそうだなぁ。catpawさん、タイから帰ってきて、暇ぶっこいてたら、たのんます。

  13. 今日のブックマーク

    If you build it, he will come. [フィールド・オブ・ドリームズ症候群] http://www.higuchi.com/item/55 映画みたいに「それを作れば、彼は必ず来る」というわけにはいかず。 そんなわけで、Webサイトの運営者は、日々せっせと自分のサイトがGoogleの検索結果の上位に出て..

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