1980年代の前半にリブロポートという出版社から出ていた「ペンギンのペンギン」という絵本がありました。
もとはアメリカのデニス・トラウトという人が文を書き、トム・カレンバーグという人が絵を描いた Penguin’s Penguins という英語の本で、それを谷川俊太郎さんが訳したものなのですが、これがなんともテツガク的な素敵な絵本なのです(ちなみに、作者のトラウト氏は哲学士で、劇場の支配人やグロサリーストアで働きながらピアノ弾きをやったりして、プログラマーになったという経歴。いるな、そういう人)。
残念ながらリブロポートがなくなって、いまや手に入らなくなってしまい、復刊ドットコムでもじわじわと復刊を求める投票がたまっていたのですが、このたびめでたく中公文庫の「てのひら絵本」シリーズから復刊されました。

元祖「ペンギンのペンギン」
この絵本の何がいいのかと言われると困ってしまうのですが、ペンギンを擬人化して(ペンギンは直立歩行するためか、擬人化の対象になりやすいですね)「“ジャズ”という語はペンギンのくしゃみに由来する」とか「ペンギンは樹木を信頼している」とか「ペンギンは兎に対して、いわれのない軽蔑の念を抱く」といった示唆に富んだハイブラウな警句(そうか?)とそれを現す画が淡々と続く、とてもおしゃれな「大人の絵本」です。本屋で見つけたときに速攻で買ってしまい、それ以来何もかも投げ出したくなるような「わやくちゃ」なシチュエーションの時に救われる、私にとっては大事な1冊です。
それが、また手に入る(みんなに配って回れる)ようになったというのは、ペンギン好きとしては至上の喜びなわけであります。

リブロポート版
もとのリブロポート版はハードカバーのB6判、今回の中公版は紙は厚いとはいえ文庫本でややさびしいのですが、リブロポート版がもともと「懐が深い」レイアウトだったので実は画のサイズはまったく同じ、しかもリブロポート版は画の下に日本語のキャプションがついていただけだったですが、中公文庫版は見開きで原文の英語とタニカワ訳が併記されていて(ちょっとピーナツブックス的ですね)サービス満点です。

中公文庫版
たとえば「ペンギンは電話を信用していない (Penguins distrust the telephones.) 」というページを見比べるとこんな感じ。
何はともあれ、これは「買い」です。ペンギン好きも、そうでない人もきっとご満足いただける税込み590円。ここで買えます。
しかし、こうなると英語の原本が欲しくなります。どこかの古本屋にでも出てないものか……。

旭山動物園
一回行ってみたいんだよねえ。でも、ペンギンって傍によると生臭いんだよねえ。昔、リブロポートから、ペンギンのペンギンって絵本が出てたんだ。谷川俊太郎さんの訳で面白かったんだけど、もうなくなったかなあ。…
ペンギンのペンギン
ワタシはキャラクターってものがキライです。かわいらしいものを身に着けるのって苦手
見事にハマってしまった
higuchi.comさんの記事にトラバ。
本も映画も、一度惚れこむと
頭の中がそのことだけになってしまう体質である。
ほとんど「恋」あるいは「病気」の状態になってしまう。
今は
映画「皇帝ペンギン」を観て以来
ペンギンに…