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3G iPhoneのリリースが発表されて、日本でも予想していたより早く世界同時発売の7月11日に売り出されるそうです。さて、どうするか。
ああいう、大きなタッチスクリーンの“スマート”な電話には Motorola/DoCoMo の M1000 の想像を絶する使いにくさのためにトラウマがあって、iPod Touch とノキアの電話の組み合わせでいいやと心を決めたつもりだったんだけど、“8GB $199”とスクリーンに大写しにされると心がゆらぎますなあ。
お世話になっているベンチャー投資家のひろしこむさんと同意見で、「iPhone が市場を席捲して日本のケータイ市場の地図が大きく変わる」なんて考えるのはあまりにナイーブだと思うし、そんなことは起こらないと確信を持って言える。でも、ケータイ業界のみなさんは“iPhone的なモノ”がじわじわと浸透してくることは、しっかり覚悟しておいたほうがいいと思う。

この“iPhone 的なモノ”の本質は、

1. ユーザーが身につけるデバイス
2. デバイスの上で動く slick なアプリケーション
3. そのアプリと緊密に連携するネット上の専用サービス

の3層システムだと思う。Web時代のクライアント・サーバーモデル。

この３層システムのインフラを広く提供して、いろんな3層システムアプリを次々と開発して（“iTunes”だけじゃないよ。“MobileMe”なんてすてきじゃない？）さらにほかの経済主体にそのインフラの上で同じようなビジネスを展開させるエコシステム（Six Apart が自前で作るTypePad のネイティブクライアントアプリのほうが、悪いけど Nokia Lifeblog よりも魅力的だ）を作り上げた人がこれからのネット時代の勝ち組だと思うのだけれど（というのはオライリーの受け売りだけど）、アップルはうまいなあ。

一方、極東の島国のケータイ事業に関わる人たちは、どのレイヤーの人もなかなかこういう話に耳を傾けてくれない。キャリアの方がプラダ携帯を「弊社の同様の端末」なんてうそぶいていたとか、端末メーカーの開発の方が「サービスはキャリアとCPの仕事」みたいなことをおっしゃっているなどと聞くに付け、やばいなあと思う今日この頃。

iPhoneの本質は決して「黒くて四角くて薄いこと」や「タッチパネルがついてること」じゃないと思うよ。