オンラインコミュニティのシステムなんかを企画していると「日本市場にこだわらずに、言語や文化に関係なく世界中の人が使えるサービスにしよう。そのほうが市場規模もでかいし。」というアイデアが出てくることがままありますね。
でも、それって短絡的にそのまま実行しちゃうと、たぶん失敗すると思う。

成功するオンラインコミュニティは、中の参加者が外の人を巻き込んで自己増殖しながらネットワーク外部性を強めていくというエコシステムが組み込まれているものだけど、その一方でコミュニティの参加者は自分たちのコミュニティの中の人と異質な集団が近くにいることを嫌う性質があるのだと思う。
この異質な集団同士が、それぞれお互いの存在を気にしなくていいように、隔離壁のしかけをしっかり作っておかないと、コミュニティ全体を見ると特定の集団だけが増殖して他の集団が逃げていく現象が起こるのですね。
Orkut と Lingr
たとえば、Google のorkut.comは気がついたらブラジル人が他の人たちを駆逐してしまったし(Alexaによる分析)、インフォテリアがアメリカ発の実験サービスとして立ち上げた Lingr も、日本人ユーザーが増えてトップページに日本語が目立つようになったらアメリカ人ユーザーが減って、今ではすっかりイラン人の裏コミュニティになってる(これはこれで、バリューがありそうだけどね)。

そんなわけで、いろんな異質な集団が共存するコミュニティシステムを成功させるには、集団同士を一緒に混ぜてはいけない。むしろ、隔離されたバーティカルな小さいコミュニティが林立しているイメージのほうが成功しやすいと思います。
システムを共通化・横展開するのと、コミュニティをいっしょくたにするのは、別の話なのです。