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The means justifies the ends

コンテンツが良ければゼニになるか [Webビジネスの落とし穴]

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企業活動の目的は利益を生み出すことですから、事業として運営しているWebサイトは、コンテンツ(記事やサービス)を維持するコストに見合うだけの収入を稼がなければなりません。
書籍の場合は、コンテンツを利用する人(読者)からいただくコンテンツの直接の対価(本の代金)が収入源ですから、より多くの読者に喜んでもらえるコンテンツを作るよう努力することで収入が増えます。これは、有料コンテンツを販売するタイプのWebサイトでも同じことです。
ところが、無料で利用できるWebサイトの場合は、事情が違います。コンテンツの対価としてお金を払ってくれる人は、誰もいません。 Webコンテンツを作っていると、コンテンツの直接の対価として収入を得ているかのような錯覚をしてしまうことがよくあります。「いいコンテンツを作っていてページビューもあるのに、収入が伸びないのは営業が悪いからだ」などというせりふをよく聞きます。

無料で利用できるコンテンツからゼニを生み出すには、そのコンテンツに集まるアテンション(注目)を売ってその対価を得るというヒネリが入ります。例えば、広告。Webの広告は、ターゲット(広告メッセージを伝えたい人たち)に自分の伝えたいメッセージを露出する“インプレッション”とターゲットを目的のページへ誘導する“トラフィック”を得るために、対価を払って、ターゲットの注目が集まるコンテンツの中に掲載されます。
どんなに人気があってページビューがたくさんあるコンテンツでも、そこに集まっているアテンションに商業的な魅力を感じて買ってくれる人がいなければ、事業としてはダメなコンテンツなのだということを忘れてはいけません。広告主はコンテンツ制作のご褒美として広告料を払ってくれるわけではないのです。

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