シリコンバレーでコンサルティング会社をやっている
渡辺千賀さんが書いた本〈ヒューマン2.0—web新時代の働き方(かもしれない)〉の
出版記念パーティにちょっとだけお邪魔してきました。
渡辺さんは東大工学部を出て三菱商事に入り、スタンフォードでMBAを取ったのをきっかけにマッキンゼー、ネオテニーを経て、シリコンバレーで自分でコンサルティング会社をやっている方で、シリコンバレー技術系ベンチャーの生き方のOnとOffを綴っているブログ
“On Off and Beyond”で有名な方です。共通の知り合いはたくさんいるようなのですが私は今まで面識がなくて、今回
知り合いのうちのおひとりのご紹介でパーティに顔を出させていただいた次第。
さて、この本、帰りの電車の中で斜めに読んだだけですが、乱暴にまとめると、テクノロジーに自信がある“若者”向け「シリコンバレーで明るく楽しくヒーヒー言いながら働いて、あわよくば一発当てよう」というキャリア構築の指南書です。シリコンバレーという特殊な土地で、技術に明るい人間がなぜ重要視されるか、どのように重用されているか、どんなリスクを取っているのか、どんなチャンスをつかんでいるかといった一般論から、具体的にシリコンバレーでの仕事の得方、住まい方、働き方のような具体論まで、テンポよくぐいぐい読ませます。
個人的には、フリーランスという生き方についての説明が、ニッポンで自己流“流しの会社役員”をやっている私めにとっても「うん、うん」とうなずけるところがたくさん。
この感じ、なにかに似てるなと思って考えていたのですが、大滝令嗣さんが書いた理系ビジネスマン・エンジニアのための上向きプロフェッショナル人生のすすめ〈理系思考〉とどこか通じてる。
理系のくせにちゃんと上昇志向があるそこのキミ、この本とペアで読むべし。理系で技術に明るいからこそ、こういったまっとうで楽しい(リスクもきっちりある)人生が設計できるってもんです。
余談ですけど、今日のパーティで久しぶりにお目にかかった古川さんに「誰だか分からなかった。お互いに変わったねぇ。」とおなかをさすりながら言われたのはちょっとショックでした。そんなに変わったかなぁ。変わったのか。そうですか。
マーケティングの正式な基礎教育を受けていない工学部あがりのいんちきマーケッターである私にとって、経済学という学問は少々縁遠い感じがするのは否めません(もっとも、たとえば流体力学だって同じぐらい縁遠いのだけれど)。そんな私でも気軽に楽しく読めて、アタマがよくなったような気にさせてくれた経済学の本です。
FTのコラムニスト兼IFCのライター兼シェルのエコノミスト兼オックスフォード大学の講師である
著者が、スタバのコーヒーの値付けのしかけといった日常的なトピックの裏にある枠組みを経済学的に読み解くとどう読めるか解説しています。
構成がうまい。目次を見ただけで読む気になっちゃうし、すらすら読めます。
原題は“The Undercover Economist”。Undercoverは『秘密活動をする~』といったニュアンスなので、直訳すると『隠密経済学者』(本書の本文中の訳では『覆面経済学者』)。前書きに
この本に出てくるのは、為替や景気循環の話ではなく、中古車市場の謎解きや、スーパーで無駄遣いをしないための知恵である。
読み終わることには、みなさんがいまよりもっと聡明な消費者になって、いまよりもっと聡明な有権者になって、政治家が吹聴する話の裏側にある真実を見極められるようになっていることを願っている。
とあるとおり、本を読み終わるころには、『隠密経済学者』として世の中を動かしている仕組みの裏側を考えるための知識とセンスの基礎が身につきます。
一貫して説かれているのは市場原理に基づく経済学の力を正しく適用すれば世の中の人々を合理的にハッピーにできるという信念。そこから出てくる結論の中には『グローバル化は地球環境にとっても、世界の貧しい人にとっても善である』『“搾取工場”製品をボイコットする運動は、そこで働く人たちの幸せのためにはならない』といった、センチメンタルな直感では一見残酷ですぐに受け入れにくいものもあるけれど、それを冷静沈着かつ明快に説明していて、心地よい読後感さえあります。
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